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猫のトイレしつけ、これで完璧!今日からできる簡単トレーニング~トイレの種類と選び方も~

猫 トイレ しつけ

愛猫との幸せな暮らしに欠かすことのできないトイレしつけ。でも、なかなかうまくいかなくて悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか?この記事では、子猫から成猫、多頭飼いまで、猫のトイレのしつけ成功方法を徹底解説していきます。トイレしつけの重要性から、うまくいかない原因、具体的なトレーニング方法、トイレの種類や猫砂選びのポイントといったトイレしつけに関する情報をしっかりまとめています。この記事を読めば、トイレしつけの重要性や、適切な対処法を学ぶことができます。ライオン製品の「ニオイをとる砂」や「システムトイレ」などの具体的なトイレグッズや、アース・ペット株式会社の「ジョイペット 天然成分消臭剤 オシッコのニオイ・汚れ専用」のような消臭剤についても詳しくご紹介していきますので、あなたの愛猫にぴったりのトイレ環境を作っていきましょう。清潔で快適なトイレ環境は、猫の健康維持にも繋がります。愛猫との暮らしをより快適にし、安心できる環境づくりをはじめていきましょう。

目次

猫のトイレしつけの重要性

猫のトイレしつけは、猫と飼い主が快適に暮らす上でとても重要です。トイレしつけができていないと、猫は家の中のあちこちで排泄してしまう可能性があります。これは衛生上の問題だけでなく、猫自身のストレスにもつながります。また、飼い主にとっても、掃除の手間が増えるだけではなく、猫の尿に含まれる「フェリチン」という物質の特性からニオイの問題にも悩まされることになります。

トイレしつけがしっかりできていると、猫は安心して決まった場所で排泄することができます。これは、猫のストレス軽減につながり、排泄物のチェックが行いやすくなるため健康維持にも役立ちます。また、掃除の手間が省けるだけでなく、快適な生活環境を維持することができるようになります。

トイレしつけのメリット

トイレしつけには、猫と飼い主のどちらにも多くのメリットがあります。

対象メリット
ストレス軽減 健康維持 安心できる環境
飼い主衛生的な生活環境 掃除の手間軽減 ニオイ問題の解消 猫との良好な関係構築

トイレしつけと健康管理

トイレしつけは、猫の健康管理にも大きく関わります。いままでトイレが上手にできていた猫がトイレ以外の場所で排泄するようになった場合には、猫がストレスを感じている可能性や、病気の可能性も考えられます。例えば膀胱炎や尿路結石といった病気では、排尿時の痛みからトイレを避けるようになったり、尿がポタポタ垂れてしまう尿失禁が起こったりすることがあります。

トイレ以外の場所で排泄するようになった場合は、動物病院で診察を受けることが重要です。猫は体調不良を表に出さず、隠してしまう野生的本能があります。日頃から猫の排泄の様子を観察し、排泄場所、回数や量、色、ニオイなどの変化に気が付いたら早めに獣医師に相談しましょう。

具体的な病気の例としては、尿路結石膀胱炎などがあげられます。症状を見逃してしまうと腎不全や尿毒症など命に係わる重篤な病気につながる危険性もあるので注意して観察しましょう。また、猫のトイレに関する問題行動についても、獣医師に相談することで解決の糸口が見つかるかもしれません。

トイレしつけがうまくいかない原因

猫のトイレしつけがうまくいかない原因は様々ですが、大きく分けて猫側の原因飼い主側の原因の2つに分けられます。

猫がトイレ以外でしてしまう理由

猫がトイレ以外で排泄してしまうのは、必ずしも「嫌がらせ」ではありません。なにかしらの理由があってのことです。その理由を理解し、適切な対処をすることが重要です。

病気の可能性

膀胱炎尿路結石などの病気の場合、排尿時に痛みを伴うため、トイレを嫌がる場合があります。また、認知症によってトイレの場所がわからなくなってしまうこともあります。頻繁にトイレ以外で排泄する、おしっこの量や色がいつもと違うなどの症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。

トイレ環境への不満

猫は非常に清潔な動物です。トイレが汚れている好みの猫砂ではないトイレの場所が落ち着かないなどの理由で、トイレ以外で排泄してしまうことがあります。特に見落としてしまいがちなのが香りです。人間にとっては清潔感を感じる芳香剤や洗剤などの香りも、猫にとっては不快に感じる場合があります。猫は一般的に柑橘系の香りやメンソールの香りを苦手としていますが、猫によって好みはそれぞれですので観察してあげることが大事です。

また、トイレの形状やサイズが猫の体型に合っていない場合も、トイレを嫌がる原因になります。一般的に猫の体長の1.5倍以上のサイズが適していると言われています。トイレの中で安易に方向転換することができるサイズが目安です。

子猫や高齢の猫の場合、縁の高さも十分に注意しましょう。縁が高すぎるトイレだと入りにくくトラブルを起こしやすくなります。

不満の要因具体的な例
清潔さ猫砂が汚れている、トイレ本体が汚れている
猫砂猫砂の種類が好みではない、猫砂の量が足りない
場所人通りの多い場所、騒がしい場所、落ち着かない場所
香り強い香りの芳香剤、消臭剤
形状・サイズ縁が高すぎる、狭すぎる、大きすぎる

ストレス

新しい家族が増えた引っ越しをした飼い主の生活リズムが変わったなど、環境の変化は猫にとって大きなストレスになります。ストレスを感じると、トイレ以外で排泄してしまうことがあります。また、多頭飼いの場合、他の猫との相性が悪い、テリトリーの主張などによって、トイレ以外で排泄してしまう場合もあります。

スプレー行為

去勢・避妊手術をしていない猫は、マーキングのために尿をスプレーすることがあります。これはトイレしつけとは別の問題であり、縄張り意識の表れです。壁や家具に少量の尿をスプレーしている場合は、マーキングの可能性が高いです。スプレー行為はしつけだけで防ぐのは難しく、去勢・避妊手術によって軽減されることが多いです。去勢・避妊手術により雄猫の場合90%、雌猫の場合で95%の効果があると報告があります。

参考:共立製薬株式会社【猫編】第2回:マーキング

しつけを始める時期を見極める

子猫の場合は、母猫から排泄の仕方を学ぶ時期である生後3~4週間頃からトイレしつけを始められます。成猫の場合は、新しい環境に慣れてきた頃から始めましょう。成猫の場合、子猫の場合に比べトイレを覚えるまで時間が掛かることも多いです。焦らず、猫のペースに合わせて進めることが大切です。

参考:エリエール/大王製紙猫のトイレのしつけのポイントは?うまくいかない場合の対処法も解説

子猫のトイレしつけ方法

子猫のトイレしつけは、生後3~4週間頃からトイレしつけをはじめることができます。成猫になってからでは、しつけに時間がかかったり、うまくいかない場合もあります。子猫は生後6か月までの間に色々なことを学習していきますので、トイレしつけができる時期になったらできるだけはやくトレーニングを開始するのが良いでしょう。

ステップ1 生後間もない子猫の場合

生後間もない子猫は、まだ自分で排泄をコントロールすることができません。生後3週間~4週間までは母親が舐めて刺激することによって排泄が促されます。そのため、生後まもなくはトイレしつけを行う時期ではなく、こまめにトイレに連れて行ってあげることが重要です。目安としては、食後、睡眠後、遊んだ後などです。

また、母猫から離れたばかりの子猫は不安を感じていることが多いので、優しく声をかけて安心させてあげましょう。トイレに連れて行く際に慌てて大きな声を出したり、急に抱きかかえたりすると恐怖心を芽生えさせてしまうので注意してください。

  1. 子猫をトイレに連れて行く
  2. 排泄を促すために、お尻を濡らした布で刺激したり、優しくお腹をマッサージしたりする
  3. 排泄したら、褒めてあげる
  4. トイレを清潔に保つ

子猫がトイレで排泄できたら、たくさん褒めてあげましょう。おやつをあげるのも効果的です。成功体験を積み重ねることで、子猫はトイレを覚えることができます。

ステップ2 ある程度成長した子猫の場合

ある程度成長した子猫は、自分でトイレに行くことができるようになっています。しかし、まだ失敗することもあるので、根気強く見守ることが大切です。トイレ以外の場所で排泄してしまった場合は、叱らずに、すぐに片付けましょう。そして、子猫をトイレに連れて行き、排泄を促します。トイレサインを見逃さないことも大事です。トイレの前に床の匂いをクンクン嗅ぎはじめたり、その場をウロウロ回ったりすることがあります。子猫によってトイレサインは違いますが、サインを知ることでトイレに連れて行くタイミングを掴みやすくなります。

状況対処法
トイレ以外の場所で排泄してしまった叱らずに片付ける。子猫をトイレに連れて行き、排泄を促す。
トイレを怖がるトイレの場所を変えてみる。トイレの種類を変えてみる。
猫砂を嫌がる猫砂の種類を変えてみる。

トイレの場所や種類、猫砂の種類などが合わない場合もあります。子猫の様子をよく観察し、必要に応じて変更してみましょう。様々な猫砂を試せる「猫砂お試しセット」を利用するのもおすすめです。猫砂お試しセットの例(Amazon)

猫はきれい好きな動物なので、清潔なトイレ環境を保つことが重要です。毎日排泄物を取り除くのはもちろんのこと、定期的にトイレ本体を洗って清潔に保ちましょう。外出などですぐトイレ掃除ができない場合には、複数のトイレを用意してあげるのも良いです。

また、トイレの設置場所にも注意が必要です。 静かで落ち着ける場所に設置し、猫が安心してトイレを使用できるように配慮しましょう。食事スペース、寝床からある程度距離の離れた場所がおすすめです。

参考:PEPPY 【専門家監修】子猫のトイレのしつけ方・選び方・置き方は?それぞれのポイントや注意点を解説

成猫のトイレしつけ方法

成猫になってからトイレのしつけが必要になる場合は、子猫の時とは異なるアプローチが必要です。環境の変化や過去の経験などが原因となっている可能性が高いため、まずは原因を探り、猫に寄り添った方法で進めていきましょう。

引っ越しなどで環境が変わった場合

引っ越しなど環境の変化は猫にとって大きなストレスになります。今まで問題なくトイレを使えていた猫でも、新しい環境では粗相をしてしまうことがあります。このような場合は、まずは猫を新しい環境に慣れさせることが大切です。

  • 以前使っていたトイレと猫砂を同じものを使用することで、猫に安心感を与えましょう。
  • 新しい家に着いたら、まずは猫をケージなど安全な場所に閉じ込め、落ち着かせてから徐々に新しい環境に探索させていきましょう。トイレもケージの中に置いておくのが安心です。
  • 猫が新しい環境に慣れてきたら、トイレを徐々に希望の場所に移動させましょう。一度に大きく場所を変えると混乱する可能性があるので、少しずつ移動させるのがポイントです。
  • 猫が新しいトイレの場所で排泄したら、たくさん褒めてあげましょう。おやつをあげるのも効果的です。

今までトイレ以外の場所でしていた場合

今までトイレ以外の場所で排泄していた成猫のしつけは、根気が必要です。まずはなぜトイレ以外の場所で排泄しているのか、原因を探ることが重要です。

原因対策
トイレが汚れているこまめにトイレを掃除する。猫砂を定期的に交換する。
トイレの場所が気に入らない静かで落ち着ける場所にトイレを移動する。
トイレの形状や猫砂の種類が合わない様々な種類のトイレや猫砂を試してみる。
ストレスや病気動物病院で診察を受ける。

原因が特定できたら、それに合わせた対策を取りましょう。例えば、トイレが汚れていることが原因であれば、こまめに掃除をする、猫砂を清潔に保つなど、トイレ環境を改善することで解決できる可能性があります。この場合、トイレが清潔な場合にはトイレで排泄ができていることが多いです。

また、トイレの場所が気に入らない場合は、静かで落ち着ける場所に移動してみましょう。トイレの形状や猫砂の種類が合わない場合は、様々な種類のトイレや猫砂を試してみるのも有効です。この場合にはトイレではない別の特定の場所で排泄をしていることが多いです。

ストレスや病気が原因の場合は、動物病院で診察を受けましょう。猫はストレスや体調不良を自分からアピールすることのない動物です。ストレスや病気の可能性がある場合には、しっかり猫の様子を観察しましょう。

粗相をした場所は、しっかりと消臭することが重要です。猫は匂いを嗅ぎ分けて同じ場所で排泄する習性があるため、猫用の消臭剤を使って、匂いを完全に消しましょう。また、粗相をした直後に猫を叱ったりするのは逆効果です。猫はなぜ叱られているのか理解できず、飼い主との信頼関係が崩れてしまう可能性があります。根気強く、猫に寄り添ったしつけを心がけましょう。

多頭飼いの場合のトイレしつけ

多頭飼いをしている、あるいはこれから始める予定の方にとって、猫たちのトイレ問題は特に重要です。猫は縄張り意識が強く、トイレ環境に敏感なため、適切なしつけと管理が不可欠です。それぞれの猫が快適にトイレを使えるように、下記の点に注意しましょう。

猫の数に合わせたトイレの設置

猫の数+1個のトイレを設置するのが理想的と言われています。例えば、2匹の猫を飼っている場合は3個、3匹の場合は4個のトイレを用意しましょう。これは、猫が他の猫のトイレを使いたがらない場合や、縄張り意識から特定のトイレを独占しようとする場合があるためです。基本的に猫は他の猫の臭いのするトイレを嫌がる傾向にあります。十分な数のトイレを用意することで、猫同士のストレスを軽減し、トイレ以外の場所で排泄してしまう問題を防ぐことができます。また、排泄物からの体調チェックも行いやすくなるメリットもあります。

猫の性格や相性を考慮することも重要です。仲の良い猫同士であれば、必要以上にトイレを用意する必要はないかもしれません。それぞれの猫の様子を観察し、適切な数を判断しましょう。

それぞれの猫のテリトリーを意識する

猫は自分の縄張りを持ち、その中で安心して過ごしたい生き物です。トイレも縄張りの一部と捉えているため、他の猫の縄張りにトイレがあると、使用をためらうことがあります。そのため、それぞれの猫のテリトリー内にトイレを設置することが重要です。

また、猫は上下運動を好むため、多頭飼いの場合は上下にトイレを設置することも有効です。キャットタワーや棚の上などにトイレを設置することで、猫が自分の縄張りを確保しやすくなり、安心してトイレを使用できるようになります。

トイレの設置場所の具体例

下記はトイレの設置場所の例です。家の間取りや猫の性格に合わせて、最適な場所を選んでください。

場所メリットデメリット
リビング猫の様子を観察しやすい来客時など、猫が落ち着いてトイレを使用できない可能性がある
寝室静かで落ち着けるプライバシーが保たれない可能性がある
洗面所/トイレ掃除しやすい狭くて猫がストレスを感じる可能性がある
廊下/階段下デッドスペースを有効活用できる人通りが多く、猫が落ち着いてトイレを使用できない可能性がある

さらに、それぞれの猫がどのトイレを使っているかを観察することも重要です。特定のトイレばかり使われている場合は、他のトイレの位置や種類、猫砂の種類などを変更する必要があるかもしれません。また、猫によって猫砂の種類を分ける必要があるケースも珍しくありません。猫の様子を注意深く観察し、それぞれの猫が快適にトイレを使える環境を整えましょう。

多頭飼いの猫のトイレに関するより詳しい情報は、ペット&ファミリー損害保険株式会社【獣医師監修】子猫の多頭飼いで気を付けることをご覧ください。

また、猫のトイレの選び方や猫砂の種類についても、アイリスプラザ 猫砂特集を参考にして、それぞれの猫に合った最適な環境を作ってあげましょう。

トイレの種類と選び方

猫にとって快適なトイレ環境は、健康維持とストレス軽減に欠かせません。猫の体型、性格、飼育環境に適したトイレを選ぶことが重要です。様々な種類のトイレがあるので、それぞれの特徴を理解し、愛猫にぴったりのトイレを見つけましょう。

猫の体型に合ったトイレを選ぶ

猫の体型に合っていないトイレは、猫が窮屈に感じたり、排泄時に体勢が安定しなかったりするため、トイレ以外で排泄してしまう原因になることがあります。子猫の場合は小さめのトイレを選び、成長に合わせてサイズアップしていくのがおすすめです。無理なくトイレ内で方向転換することのできる、体長の1.5倍の広さのトイレが適切だと考えられています。高齢の猫は筋力が低下していますので、入り口が低く、出入りしやすいトイレを用意し、関節のトラブルなどの原因となる負担を減らしてあげると良いでしょう。

システムトイレ、鉱物系、紙砂など猫砂の種類

猫砂の種類によって、消臭力、固まり具合、飛び散り具合、価格などが異なります。猫の好みや飼い主さんの掃除のしやすさなども考慮して選びましょう。

種類特徴メリットデメリット
鉱物系ベントナイトなどの天然鉱物でできている。吸水性に優れ、固まりやすい。価格が比較的安い。消臭力が高い。重量がある。粉塵が舞うことがある。
紙系再生紙を原料とした猫砂。燃えるゴミとして処理できる。環境に優しい。軽い。粉塵が少ない。湿気に弱い。消臭力が弱い。
木系木材を原料とした猫砂。燃えるゴミとして処理できる。環境に優しい。消臭力がある。固まりにくい。飛び散りやすい。
シリカゲル系二酸化ケイ素を主成分とした猫砂。高い吸水力と消臭力を持つ。交換頻度が少ない。尿の色をチェックしやすい。価格が高い。猫によっては嫌がる場合がある。

詳しくは株式会社エステー 猫のトイレにはどんな種類がある? トイレの形状や猫砂のタイプについて教えてくださいをご覧ください。

トイレの設置場所のポイント

トイレの設置場所は、猫が落ち着いて排泄できる静かで清潔な場所を選びましょう。人通りの多い場所や、食事場所や寝床の近くは避けるのが適切です。また、猫がいつでもアクセスしやすい場所に設置することも重要です。多頭飼いの場合は、猫同士が鉢合わせしないように、複数のトイレを異なる場所に設置するなどの工夫も大切です。猫によっては、トイレに蓋があるタイプを好む場合もあります。蓋付きトイレは、猫に安心感を与えるとともに、臭いを軽減する効果も期待できます。

さらに詳しい情報については、トイレの位置と猫砂遍歴 猫のトイレ考|All Aboutも参考にしてください。

猫砂の種類と特徴

猫砂は、猫のトイレ環境において重要な役割を果たします。快適なトイレ環境は猫の健康とストレス軽減に繋がり、飼い主にとっても掃除のしやすさなどメリットがあります。様々な種類がある猫砂の特徴を理解し、愛猫に最適なものを選びましょう。

鉱物系猫砂

鉱物系の猫砂は、ベントナイトと呼ばれる粘土鉱物を主成分としています。吸水性が高く、固まりやすいため、汚れた部分だけを簡単に取り除くことができます。価格も比較的安価で、入手しやすいというメリットがあります。自然の砂に感触が近いことから多くの猫が好むと言われています。しかし、重さがあり持ち運びしにくい、粉塵が発生しやすいというデメリットもあります。粉塵が舞いやすいことで掃除しにくくなるだけではなく、猫によっては呼吸器に影響を与える可能性があります。また、使用済みの猫砂は燃えるゴミとして処分できない地域が多いので注意が必要です。

代表的な商品:ライオン ニオイをとる砂

紙系猫砂

紙系の猫砂は、再生紙を主成分としています。燃えるゴミとして処分できる、尿の色が確認しやすいというのが大きなメリットです。トイレに流して処分できるものもあり便利です。また粉塵が少ないため、猫の呼吸器への負担も軽減されます。吸水性は鉱物系に劣りますが、軽くて持ち運びしやすいというメリットもあります。

デメリットとしては湿気に弱く、固まるまでの時間が掛かるという点が挙げられます。

代表的な商品:ライオン ニオイをとる砂 カラーチェンジタイプ

木系猫砂

木系の猫砂は、木材を主成分としています。天然素材でできているため、猫にも環境にも優しい猫砂と言えます。消臭力が高く抗菌力もあるのも特徴です。デメリットとしては粒が軽いために散らばりやすく小まめな掃除が必要なこと、感触が苦手な猫が多いということが挙げられます。

代表的な商品:ペティオ 流せる固まる木の猫砂

シリカゲル系猫砂

シリカゲル系の猫砂は、二酸化ケイ素を主成分とした乾燥剤と同じ素材でできています。他の素材の猫砂と比較し非常に高い吸水力と消臭力を誇ります。また、固まらないタイプなので、全交換までの期間が長いというメリットもあります。ただし、価格が比較的高価であること、誤食してしまうと食道に張り付いてしまう可能性があるというデメリットもあります。特に猫砂を食べてしまう猫の場合には注意が必要です。

代表的な商品:アイリスプラザ 猫砂 消臭砂 シリカゲルサンド

種類主成分固まる/固まらない燃えるゴミメリットデメリット
鉱物系ベントナイト固まる△(地域による)吸水性が高い、固まりやすい、安価粉塵が多い、重いので持ち運びに苦労する
紙系再生紙固まる/固まらない〇(固まらないタイプ)燃えるゴミに出せる、粉塵が少ない、軽い吸水性は鉱物系に劣る
木系木材固まる/固まらない△(地域による)天然素材、消臭力が高い、比較的粉塵が少ない固まるタイプは燃えるゴミに出せない場合がある
シリカゲル系二酸化ケイ素固まらない×吸水・消臭力が高い、交換頻度が少ない高価、燃えるゴミに出せない

上記以外にも、おからやとうもろこし、胡桃の殻などを原料とした猫砂など、様々な種類の猫砂が存在します。愛猫の年齢や健康状態、生活環境、飼い主のライフスタイルに合わせて最適な猫砂を選びましょう。迷った場合は、獣医師に相談してみるのも良いでしょう。

トイレの掃除方法と頻度

猫にとって清潔なトイレ環境は、健康と快適な生活を送る上で非常に重要です。トイレが汚れていると、トイレ以外で排泄してしまう原因にもなります。また、不衛生なトイレは病原菌の温床となり、猫の健康を脅かす可能性もあります。だからこそ、こまめな掃除と適切な消臭対策が不可欠です。

清潔なトイレ環境を保つ重要性

猫は非常にきれい好きな動物で、清潔なトイレを好みます。汚れたトイレでは用を足したくないため、トイレ以外で排の排泄習慣が身についてしまう可能性があります。また、猫は嗅覚が非常に敏感なため、人間には感じられないわずかな臭いでも不快に感じてしまいやすいです。常に清潔なトイレ環境を維持することで、猫が快適にトイレを使用できるようにし、健康を守りましょう。

適切な掃除方法

トイレの掃除方法は、使用するトイレの種類(システムトイレ、普通のトイレ)や猫砂の種類によって多少異なりますが、基本的な手順は以下の通りです。

  1. 固まった尿や便を猫砂スコップで取り除きます。システムトイレの場合は、尿が下に落ちているので、シートやチップを取り替えます。
  2. 週に1~2回程度、トイレ容器全体を空にして、中性洗剤で洗い、しっかりと乾燥させます。熱湯消毒も効果的です。猫用洗剤を使用するとより安心です。
  3. 新しい猫砂を補充します。猫砂の量は、猫が排泄物を隠せる程度の深さが必要です。通常、5~7cm程度が目安です。
トイレの種類掃除の頻度ポイント
システムトイレ固まった排泄物:毎日 シート/チップ交換:1~3日ごと(猫の数、使用量による) 全体洗浄:週1回吸収シートやチップの種類によって交換頻度が変わります。 猫砂は定期的に補充または全交換します。
普通のトイレ固まった排泄物:毎日 猫砂の全交換:1~2週間ごと 全体洗浄:猫砂交換時猫砂の種類によって交換頻度が変わります。 尿が底に溜まりやすいので、こまめな掃除が必要です。

トイレ掃除の頻度は、猫の数、トイレの大きさ、猫砂の種類などによって調整しましょう。多頭飼いの場合は、特にこまめな掃除が必要です。また、夏場は臭いが発生しやすいため、より頻繁に掃除することが推奨されます。

消臭対策

猫のトイレの臭いは、アンモニア臭や尿に含まれるフェリニンが主な原因です。アンモニアは猫にとって有害であり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。フェリニンはアミノ酸の一種で、猫の尿にのみ認められる化合物です。このフェリニンは空気に触れるとチオールという物質に分解され、悪臭の原因となります。効果的な消臭対策を行うことで、猫の健康を守り、快適な室内環境を保ちましょう。

  • 換気をこまめに行う:トイレの設置場所の換気を良くすることで、臭いのこもりを防ぎます。
  • 消臭剤を使用する:猫に安全な成分でできた消臭剤を使用します。トイレの近くに置いたり、猫砂に混ぜるタイプなど、様々な種類があります。
  • 重曹を活用する:重曹は消臭効果があり、猫にも安全な成分です。少量をトイレの底に撒いたり、猫砂に混ぜて使用します。定期的にトイレ本体を漬け置き洗いするのも効果的です。
  • 脱臭機を設置する:空気清浄機や脱臭機を設置することで、室内の臭いを軽減することができます。

適切な掃除と消臭対策を行うことで、猫が快適にトイレを使用できる環境を作り、健康を守りましょう。猫の尿は人間の尿に比べ臭いという特徴があるのは事実ですが、いつもの尿とは違った臭いがする場合には、注意が必要です。普段より刺激臭がする場合や、甘酸っぱい臭いに変化した場合などでは、病気が潜んでいる可能性があります。反対に掃除方法や消臭対策を変えていないのに、全く臭いがしなくなった場合も腎臓病など、病気であることもあります。

急に尿の臭いが変わった場合には動物病院に相談に行くことをおすすめします。

猫のおしっこが臭い原因とは?病院に連れて行くべき症状を獣医師が解説

トイレしつけに関するよくある質問

猫のトイレしつけで困っている飼い主さんのために、よくある質問と解決策をまとめました。

トイレをひっくり返す

猫がトイレをひっくり返すのには、いくつかの理由が考えられます。猫砂の感触が気に入らないトイレのサイズが合っていないトイレが汚れているなどが主な原因です。こうした「気に入らない」ことが理由の場合には、トイレをひっくり返す前に、排泄物に砂をかけなくなったり、トイレのヘリ部分に足をかけて排泄を行うなどの行動が見られることがあります。猫砂の種類を変えてみたり、より大きなサイズのトイレに変えたり、こまめに掃除をすることで改善される場合があります。

また、フードを変えたことによる体調変化で下痢や軟便になっている 場合にもトイレをひっくり返すことがあるため、様子を見て動物病院へ相談しましょう。病気の可能性も考えられます。

対策

  • 猫砂の種類を変える(鉱物系、紙系、木系など)
  • トイレのサイズを大きくする
  • トイレを清潔に保つ(毎日1回以上の掃除)
  • フードを以前のものに戻してみる
  • 動物病院で相談する

トイレ以外で粗相をする

トイレ以外での粗相は、ストレス病気トイレ環境への不満など様々な原因が考えられます。新しい家族が増えた引っ越しをしたなど、環境の変化がストレスになっている場合もあります。また、膀胱炎や尿路結石などの病気も粗相の原因となるため、トイレ以外で粗相をするようになった場合には、まずは動物病院で診察を受けましょう。病気ではない場合は、トイレの場所や種類、猫砂を見直したり、猫用フェロモン製品を使用するのも効果的です。特に高齢の猫の場合は認知症を発症している場合もありますし、関節痛など体のトラブルを抱えていることもあります。猫は野生的本能で体調不良を隠してしまうことが多いですので、粗相だけの問題と考えず、一度動物病院で相談するようにしましょう。

スプレーをする場合

去勢・避妊手術をしていない猫は、マーキング行動としてスプレーをすることがあります。去勢・避妊手術をすることで改善されることが多いです。また、フェリウェイなどの猫用フェロモン製品も効果的です。

対策

  • 動物病院で診察を受ける
  • トイレの場所、種類、猫砂を見直す
  • 猫用フェロモン製品を使用する
  • ストレスの原因を取り除く

トイレの場所を変えたい

トイレの場所を変えたい場合は、猫にストレスを与えないように徐々に移動させることが大切です。まず、新しいトイレを本来置きたい場所に設置し、古いトイレを少しずつ新しいトイレに近づけていきます。最終的に古いトイレを撤去することで、新しいトイレの場所を猫に認識させます。急な変更は猫にストレスを与えるため、時間をかけてゆっくりと行いましょう。

場所の選び方

良い場所悪い場所
静かで落ち着ける場所騒がしい場所
人通りの少ない場所常に人目につく場所
猫が安心できる場所猫が怖がる場所(洗濯機、掃除機など家電の近く)
餌場や水飲み場から離れた場所餌場や水飲み場のすぐ近く

上記を参考に、猫にとって最適なトイレの場所を選んであげましょう。

しつけをスムーズに進めるためのグッズ

猫のトイレしつけをスムーズに進めるためには、いくつかの便利グッズを活用するのがおすすめです。ここでは、特におすすめのグッズを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

猫用フェロモン製品

猫用フェロモン製品は、猫が安心感を得られる合成フェロモンを拡散することで、ストレスを緩和させることができるというものです。環境の変化などのストレスによって、トイレ以外の場所で粗相をしてしまうなどの問題行動を抑制する効果が期待できます。合成フェロモンと聞くと、危険なドラッグなのではないか?と心配される方も多いです。猫フェロモン製品で世界的に有名なフェリエイでは、これまで1400万頭に及ぶ猫に使用されてきています。消費者調査でも安全性に対する問題は報告されていません。日本でもフェリエイを導入する動物病院も増えてきています。

スプレータイプ、ディフューザータイプなど様々な種類があるので、猫の性格や生活環境に合わせて選びましょう。

フェリウェイは、猫の頬から分泌されるフェイシャルフェロモンに注目し開発されたフェロモン製剤で、猫に安心感を与えます。猫がよく飼い主や好きな人に対して顔を擦り付ける行為をすることがありますが、これも頬から分泌されるフェロモンを擦り付けているためであることが分かっています。 フェリウェイ公式サイト

フェリウェイの使い方

  • スプレータイプ:トイレの周辺や猫が落ち着ける場所にスプレーする。
  • ディフューザータイプ:コンセントに差し込んで、フェロモンを部屋全体に拡散させる。

猫砂スコップ、消臭剤

清潔なトイレ環境を維持することは、トイレしつけの成功に不可欠です。適切な猫砂スコップと効果的な消臭剤を使用することで、猫にとって快適なトイレ環境を作り、しつけをスムーズに進めることができます。

グッズ選び方のポイントおすすめ商品例
猫砂スコップ猫砂の種類に合った形状、持ちやすさ、耐久性ニオイがつきにくいアルミニウム合金製 こびりついた汚れを取りやすい形状 ペティオ サンドスコップ極
消臭剤安全性、消臭効果、香り、使いやすさおしっこ臭を99%消臭 ノンアルコールの安心設計 ライオン シュシュット!

しつけ用スプレー

しつけ用スプレーは、猫が嫌がるニオイや成分で、トイレ以外での排泄を防止するのに役立ちます。トイレを失敗してしまう場所が決まっている場合などに、その場所にスプレーすることでその場所に立ち入らないように教えることができます。猫専用のしつけスプレーであれば、猫にとって安全な成分でできているものが多いですが、必ず猫に安全な成分でできているか、効果が持続するかも確認し使いましょう。

しつけスプレーは猫の嫌がる「ニオイ」であることが大切です。一般的に猫は柑橘系の香りを苦手とするので、柑橘系の香りのものが多いですが、柑橘系の香りが好きな猫もいます。しつけスプレーは「柑橘系」「ハッカ系」「ハーブ系」など様々な香りのものがありますので、愛猫の行動をよく観察し苦手なニオイのスプレーを使用するようにしましょう。

例えば、アース・ペット株式会社の「ザ・しつけ ビターレモンピール」は、猫が嫌がるレモンの香りになっており、トイレ以外の場所で粗相をするのを防ぎます。100%食品添加物なので、猫が舐めてしまっても安全です。 アース・ペット株式会社 ザ・しつけ ビターレモンピール

これらのグッズをうまく活用することで、猫のトイレしつけをよりスムーズに進めることができます。しかし、グッズだけに頼るのではなく、根気強く、愛情を持って猫と向き合うことが大切です。好奇心旺盛な猫によっては苦手な香りがなく、しつけ用スプレーでは効果が見られないこともあります。しつけ用スプレーさえ使用すればトイレのしつけが必ずしも成功するというわけではないということも、しっかり理解しておきましょう。

まとめ

この記事では、子猫から成猫、多頭飼いまで、様々な状況に合わせた猫のトイレしつけ方法を解説しました。トイレしつけの成功には、猫の年齢や性格、生活環境を理解することが重要です。子猫の場合は、成長に合わせたしつけを行うことを心がけ、成猫の場合は、環境の変化などトイレを失敗してしまう原因を探り適切な対応をしましょう。多頭飼いでは、猫の数に応じたトイレの設置の工夫と、それぞれのテリトリーを意識することがポイントです。

また、トイレの種類や猫砂選びも重要です。猫の体型に合ったトイレを選び、システムトイレ、鉱物系、紙砂など様々な猫砂の特徴を理解し、愛猫に最適なものを選びましょう。トイレの設置場所も、静かで落ち着ける場所を選び、清潔に保つことが大切です。適切な掃除方法と頻度を参考に、清潔なトイレ環境を維持しましょう。

トイレしつけに悩んでいる場合は、猫用フェロモン製品、消臭剤、しつけ用スプレーなどのグッズを活用するのも効果的です。愛猫の行動をよく観察し、根気強く、愛情を持ってしつけに取り組むことで、快適な猫との生活を実現できるでしょう。

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