猫と一緒に引越し！失敗しない5つのポイント

2025年2月12日

猫との引越しは、愛猫にとって大きな環境の変化となり、ストレスや体調不良を招くリスクがあります。しかし、適切な準備と行動を取ると、猫の負担を最小限に抑えつつ安全に引越しを終えられます。

この記事では、引越し前の準備から引越し当日の注意点、新居でのケア方法に至るまで、猫と一緒に快適かつ安心して引越しを進めるための具体的なポイントを5つのステップに分けて詳しく解説します。また、猫の行動や健康に配慮し、ストレスを軽減させるためのコツや役立つグッズも紹介しています。

この記事を読むと、引越しに伴う猫へのリスクを理解し、正しい対応方法を実践できるようになります。愛猫の安心と健康を守りながら新しい生活を気持ちよくスタートさせましょう。

引越し前に準備しておくべきこと

猫のストレスを抑えるための環境作り

猫は環境の変化に敏感な動物です。引越しは私たち人間にとっても大きなイベントですが、猫にとってはそれ以上のストレスとなる場合があります。そのため、引越し前に猫にとって快適な環境を整えることが大切です。

まず、引越し前から少しずつ段ボールや梱包資材を部屋に置き、猫がこれらに慣れる時間を設けましょう。いきなり見慣れない物が増えると不安を引き起こすため、できるだけ自然に存在させるよう心掛けてください。

また、引越し準備の際には猫の生活スペースを確保し、慣れた匂いと家具をそのまま保つよう配慮しましょう。突然生活環境が変わると、猫の食欲低下や体調不良を招く恐れがあるため、普段通りの生活を続けられるスペースがあることが重要です。

引越し用のペットキャリーの選び方

猫を安全かつ快適に移動させるためには、適切なペットキャリーが欠かせません。ペットキャリーは猫が楽に入れる大きさであると同時に、適度な通気性があるものを選びましょう。また、脱走防止のためにしっかりとしたロック機能がある製品がおすすめです。

ポイント	重要性
適切なサイズ	狭すぎないが、余裕がありすぎないことが重要。
通気性の良さ	長時間の移動に備えてストレスを軽減。
軽量で持ち運びやすい	飼い主の負担を減らす。
安全なロック機能	移動中に脱走を防ぐ。

例えば、Amazonや楽天市場で購入可能な「アイリスオーヤマ」のペットキャリーは、軽量かつ丈夫で口コミ評価も高い製品の一つです。

慣れた匂いのアイテムを準備

引越し前には、猫にとって安心材料となる慣れ親しんだ匂いのアイテムを準備しておきましょう。例として猫が普段使っているブランケット、キャリーバッグに敷けるタオル、いつものおもちゃなどが挙げられます。

これらの匂いがすると、新しい環境でも猫が少しでも落ち着きを取り戻すことが期待されます。ただし、洗濯したばかりのアイテムではなく、ある程度使用感があり猫の匂いが染みついているものが適しています。

健康チェックと動物病院での相談

引越し前にかかりつけの動物病院で健康チェックを受けることをおすすめします。特に、予防接種が最新の状態になっているか、健康状態に異常がないかを確認してください。

また、新居となる地域の動物病院を事前にリサーチしておくことも重要です。緊急事態が発生した場合に迅速に対応できるよう、候補となる病院をいくつかピックアップしておきましょう。

日本獣医師会の公式サイトでは、全国の動物病院情報を調べられます。新居近くの病院がわからない場合には、まずこちらを参考にすると良いでしょう。

引越し当日に気をつけること

作業中の猫の居場所を確保

引越し当日は作業員や荷物の出入りが激しく、猫にとってストレスフルな環境になる可能性があります。そのため、猫の居場所をあらかじめ確保しておくことが重要です。特に繊細な性格の猫や臆病な猫の場合、安心できるスペースを提供することでリスクを最小限に抑えることができます。

引越し作業中は別の静かな部屋に隔離

引越し作業中は猫を別の静かな部屋に隔離し、作業員が出入りしない状態を作りましょう。その部屋には猫が安心できるアイテム、たとえば普段使っているキャリーバッグや毛布、ベッドを設置しておくとよいでしょう。食事や水、トイレもあらかじめ用意しておきます。また、ドアには「開けないでください」と書いたメモを貼っておき、他の人がうっかり開けてしまうことがないようにしましょう。

怖がらせないよう音や人の出入りに配慮

引越し当日、作業員や運搬作業による大きな音が猫に恐怖心を与えることがあります。作業中に可能であれば、ラジオや普段聞き慣れている音楽を小音量で流し、猫がストレスを感じにくい環境を作ることが重要です。また、部屋のドアや窓はしっかりと閉じ、猫が逃げてしまうことのないようにしましょう。

移動時の注意点について

いざ出発するときは、移動中に猫が快適で安全に過ごせる環境を作ることが重要です。移動の手段や時間に応じた準備を整えましょう。

車移動の場合のキャリーバッグ内の環境

車を使った移動の場合、猫を必ずキャリーバッグに入れ、安全を確保します。キャリーバッグの中には柔らかいタオルや毛布を敷き、滑りにくく猫が安心できるようにしましょう。また、エアコンを使用して温度を快適に保ちます。ただし、空気の流れが直接キャリーバッグに当たらないように注意してください。移動中はキャリーバッグを席に固定し、急ブレーキ時の転倒を防ぎます。

公共交通機関を利用する際のマナーとルール

電車やバスなど公共交通機関を利用する場合は、事前にペットを乗せる際のルールを確認しましょう。日本では、多くの鉄道会社や航空会社でペットを運ぶ際にキャリーバッグが必須とされています。例えば、JRの指針によれば、縦横高さの合計が120cm以内、重さがペットと合わせて10kg以下のケースである必要があります。

バッグは他の乗客の迷惑にならないよう足元に置き、大声を出したり過剰な動きをしないよう猫の様子をしっかり観察してください。また、他の乗客が動物アレルギーを持っている可能性もあるため、できるだけ人混みを避ける工夫が求められます。

移動手段	ルール/注意点
車	キャリーバッグは滑らない位置に固定。温度調節を行い、直射日光を避ける。
電車・バス	キャリーバッグに入れ足元に置く。事前に利用規定を確認。
航空機	航空会社の規定に従い、専用ケージを利用。搭乗前に予約が必要。

このように、移動手段に応じた準備をすると猫の負担を軽減でき、安心して引越しが進められます。

新居に到着したらすべきこと

猫の安心できるスペース作り

新居での初日の隔離部屋の設置

引越し直後の猫は新しい環境に戸惑いやストレスを感じることがあります。そのため、新居に到着したら最初に猫を迎え入れる専用の隔離部屋を準備することが重要です。その部屋には、猫が馴染みのある匂いのものを多く設置し、できるだけ静かで落ち着ける環境にしましょう。猫用のベッドやキャリーバッグ、前の住居で使用していたトイレを設置すると安心感を与えられます。

また、隔離部屋を用意する理由は、猫が周囲に馴染むまでに時間がかかるからです。一気に広い範囲を見せると不安な気持ちが増してしまう可能性があります。そのため、まずは狭い空間で不安を取り除き、それから徐々に新居全体に慣れさせましょう。

慣れた匂いのあるアイテムをすぐ配置

猫にとって、嗅覚は非常に重要な感覚です。引越し前に使っていたタオルやブランケット、愛用のベッドなど猫の匂いがついているものを隔離部屋の目立つ場所に設置すると、猫は自分のテリトリーを感じやすくなり、落ち着きを取り戻します。

同時に、猫に新しい匂いをゆっくり覚えさせることも効果的です。新居で使う予定のもの（家具や日用品など）を、一つずつ猫が過ごしている部屋に持参し、慣らしていく過程を大切にしてください。

猫の様子を観察してケアする

食欲やストレスサインを確認

引越し後、猫は環境の変化に慣れるまで普段と違う行動を見せることがあります。まず、食欲の変化に注意してください。新居に到着しても食べ物に興味を示さない場合、環境ストレスが原因になっていることが考えられます。ひとまず以前と同じフードと食器を使い、静かな場所で食事を提供しましょう。

さらに、ストレスサインとして以下のような行動を観察してください

●隠れすぎて姿を見せない

●毛づくろいを頻繁にしすぎる

●鳴き声が少ない、または異常に増える

これらの兆候が長期間続く場合、動物病院で相談することを検討しましょう。

トイレの配置と使い始めの状況をモニタリング

引越し直後、新しい環境に慣れない猫はトイレを使うのをためらうことがあります。このとき、以前から使用していたトイレ砂とトイレ本体を持参し、新居でも同様にセットアップしましょう。古いトイレ砂が少し残っていると、馴染みのある匂いで安心させる効果があります。

トイレは猫がアクセスしやすい場所に設置し、静かな環境で使用させましょう。また、猫の排泄習慣が変わっていないかモニタリングして、新居にうまく適応しているか確認してください。

引越し後の生活で意識すること

新しい環境に馴染ませるための工夫

少しずつ家全体に慣れさせる手順

猫は新しい環境に対して警戒心が強く、急激に広いスペースに解放されるとストレスを感じてしまいます。新居に引越したあとは初めに1つの部屋のみを猫の居住空間とするのがおすすめです。この部屋には、猫が慣れているアイテム（キャットタワー、トイレ、爪とぎ、ベッドなど）をそのまま使用するなど、生活の中で馴染みのある匂いがついたものを設置します。数日間その部屋で過ごさせてから、少しずつ他の部屋にも慣れさせていきましょう。ドアを開放する順番やタイミングに気をつけ、猫の様子を優先的に観察してください。

部屋を開放するときには必ず危険な物や場所がないか事前に確認することが重要です。新居では思わぬ隙間や窓の状態が猫の事故につながる可能性があります。注意深く環境を整えたうえで、猫を新しい空間に慣れさせてあげましょう。

家具やレイアウトの工夫で安心感を与える

家具やレイアウトも猫が安全で快適に過ごせるよう調整することが大切です。新居で設置する家具の配置に注意し、以下のポイントを意識しましょう：

ポイント	具体例
安心感を与える隠れ家の設置	キャットトンネルやテント型ベッド、段ボール箱などを用意
見晴らしの良い場所を確保	キャットタワーの上部や窓際を整理し、外を見渡せるスペースを作る
脱走防止対策	窓やベランダにはネットや柵を設置し、窓の開閉に注意
爪とぎ対策	新しい部屋の複数箇所に爪とぎを設置し、家具への被害を予防

なお、引越し前に使用していたアイテムを新居でも活用すると猫が馴染みやすい環境を維持できます。特にお気に入りの寝床や敷物は、猫にとって安心の基盤となります。

環境変化によるストレスへの配慮

ストレス軽減に役立つおもちゃやグッズ

引越し後、猫の気分転換やストレス解消のために適切なおもちゃやグッズを活用することも重要です。レーザーポインターや羽根付きのおもちゃのように動きのある道具を使うと、遊びながら緊張をほぐすことができます。また、キャットタワーや爪とぎをあらかじめ設置しておくと、猫が自然に遊んでストレス発散を図ることができます。

加えて、またたびやフェリウェイ（猫用フェロモン製品）のようなリラックスアイテムの使用も検討してください。特にフェリウェイは新生活において環境適応を助ける製品として広く知られています。正しい使い方や特徴については、FELIWAYの公式ページをご覧ください。