「モフモフの大きな猫を飼いたいけど、どんな種類がいるんだろう?」「ラガマフィンって聞いたことあるけど、どんな猫?」この記事では、ラガマフィンについて詳しく解説します。
魅力や起源、容姿、性格だけでなく、価格相場や必要な飼育用品、健康管理についてなど、ラガマフィンと暮らす上で知っておくべき情報をまとめています。
ラガマフィンを家族に迎え入れることを検討している方、すでにラガマフィンと暮らしている方にとっても有益な情報が満載です。理想の猫との出会いと猫との幸せな暮らしを実現するために、ぜひ最後までお読みください。
ラガマフィンってどんな猫?
ラガマフィンは、長毛で美しい被毛と穏やかで人懐っこい性格が魅力の猫です。その愛らしい容姿と性格から「猫のテディベア」とも呼ばれています。
ラグドールとよく似ていますが、実は異なる品種。様々な毛色を持つことも特徴の一つです。
ラガマフィンの歴史と起源
ラガマフィンは1990年代にアメリカで誕生した、比較的新しい猫種です。
その起源は、ラグドールのブリーダーたちが更なる品種改良を目指し様々な猫種を交配させたことに始まります。ラグドールにペルシャなどが交配されたことで、多様な毛色と丈夫な体質を持つラガマフィンが誕生しました。2003年にCFAで正式に公認され、現在ではその数を徐々に増やし、世界中で愛される猫種となっています。
ラガマフィンの特徴的な容姿
ラガマフィンは、最大 4 年ほどかけて成長していく中型から大型の猫種です。成猫のオスの最大体重は9kgほど、メスは最大7kgほどになります。筋肉質でがっしりとした体格と、ふさふさの尻尾が特徴です。顔は丸みを帯びており、大きなアーモンド型の目は優しく穏やかな印象を与えます。
被毛の特徴
ラガマフィンの被毛は、絹のように滑らかで柔らかな触り心地のセミロングの美しい長毛です。
ダブルコートの密度が高い長毛種でありながら毛玉ができにくく、日々のお手入れが比較的楽な猫種といえるでしょう。換毛期には抜け毛が多くなるので、こまめなブラッシングは欠かせません。
様々な毛色
ラガマフィンは、ラグドールよりも多様な毛色を持つことが特徴です。公認されている毛色は、ホワイト、クリーム、レッド、ブラウン、ブルー、ブラックなど、非常に豊富です。また、これらの色が単色で現れる場合や、バイカラー、タビー、キャリコなど、様々なパターンが存在します。
瞳の色は、ブルー、グリーン、ゴールドなど、毛色に合わせて変化します。オッドアイも認められていますが、ミンクカラーの瞳はアクア、セピアカラーは黄色/金色から緑色の瞳でなければなりません。
ラガマフィンの性格
ラガマフィンは、その穏やかで人懐っこい性格で多くの人々を魅了する猫種です。ここでは、下記の表にまとめたラガマフィンの性格について詳しく解説します。
性格 | 詳細 |
---|---|
穏やかさ | 非常に穏やかで、大きな音や急な動きにも動じない。 |
人懐っこさ | 人見知りをせず、初対面の人にもフレンドリー。 |
遊び好き | おもちゃで遊ぶのが大好きで、好奇心旺盛。 |
知性 | 賢く、芸を覚えるのも得意。 |
鳴き声 | あまり鳴かない。 |
穏やかで人懐っこい性格
ラガマフィンは、非常に穏やかで優しく、人懐っこい性格をしています。子供に対しても優しく、ファミリーペットとしても最適です。初めて会う人にも臆することなく接することができるため、来客が多い家庭でも安心。他のペットとも仲良く過ごすことができるので、多頭飼いにも向いています。
あまり鳴かない猫種としても知られており、集合住宅でも飼いやすい猫種と言えるでしょう。
従順な性格で膝に抱っこされることを好む子が多く、その穏やかな性格から「セラピーキャット」としての活躍も期待されています。
遊び好きで好奇心旺盛な一面
穏やかな性格の一方で、遊び好きで好奇心旺盛な一面もラガマフィンの魅力。
おもちゃで遊ぶことが大好きで、レーザーポインターや羽根つきの棒などで遊ぶと、まるで子猫のように無邪気にじゃれつく姿を見せてくれます。
学習能力も高く、芸を覚えることが得意です。「お手」や「おかわり」といった簡単な芸はもちろん、少し複雑な芸でも根気強く教えれば覚えてくれるでしょう。遊びを通してコミュニケーションをとることで、より一層ラガマフィンとの絆を深めることができます。
ラガマフィンは一人暮らしの人からファミリーまで、幅広い層に適した猫種と言えるでしょう。初めて猫を飼う人にもおすすめです。
ラガマフィンの価格相場
ラガマフィンは希少な猫種であるため、他の猫種と比べて価格が高めです。購入場所や血統、毛色、月齢など様々な要因によって価格が変動します。事前に価格相場を把握しておくことで、予算計画を立てやすくなります。
ブリーダーからの購入費用
ブリーダーからラガマフィンを購入する場合、一般的には10万円~30万円程度が相場です。血統が優秀な子や珍しい毛色の場合は、40万円以上の高額になることもあります。ブリーダーは子猫の健康管理や社会化に力を入れていることが多く、購入後も相談に乗ってくれるため初めて猫を飼う方にも安心です。
ペットショップからの購入費用
ペットショップでラガマフィンを購入する場合、ブリーダーから購入するよりも高価になる傾向があり、20万円~60万円程度が相場です。人気のカラーや珍しいカラーなどは80万円を超える高額になることもあります。
ペットショップは子猫を直接見比べて選ぶことができる点がメリットです。ただしペットショップによっては、子猫の健康状態や飼育環境が劣悪な場合もあるため注意が必要です。購入前に、ペットショップの評判や子猫の健康状態をよく確認しましょう。
価格に影響する要素
価格に影響する要素としては、以下のものが挙げられます。
要素 | 詳細 |
---|---|
血統 | 両親がチャンピオン猫や希少な血統である。 |
毛色 | 人気のある毛色(例:ミンク、クリームなど)や珍しい毛色(ブルー系など)。 |
月齢 | 生後2〜3か月の若い月齢ほど高額。 |
健康状態 | 健康診断の結果が良好で、遺伝性疾患や感染症の有無が明確になっている。 |
ブリーダー/ペットショップの評判 | 評判の良いブリーダーやペットショップから購入する場合は、価格が高くなる傾向があります。ブリーダーの繁殖コストによっても価格は大きく変動する。 |
市場の需要と供給 | ラガマフィンの人気度や供給量によって価格は変動します。 |
ラガマフィンを迎える際には、価格だけでなくブリーダーやペットショップの信頼性、子猫の健康状態なども考慮して総合的に判断することが重要です。
ラガマフィンの飼い方
ここではラガマフィンと快適な生活を送るために必要な、飼育用品や適切な食事などを紹介します。
必要な飼育用品
ラガマフィンを迎える前に、必要な以下の飼育用品を揃えましょう。
ケージ
ラガマフィンは大型の猫なので、十分な広さのあるケージを選びましょう。高さのある2~3段式ケージがおすすめです。子猫期から成猫期まで使えるサイズを選び、中で自由に動き回れるスペースを確保しましょう。部屋には上下運動のできるキャットタワーなどを設置するのも良いでしょう。
トイレ
清潔なトイレ環境は、健康維持に不可欠です。猫砂は鉱物系、紙系、木系など様々な種類から、ラガマフィンの好みに合わせて選びましょう。
猫はきれい好きな動物なので、トイレは常に清潔に保ち定期的に猫砂を交換することが非常に大切です。清潔なトイレ環境を用意してあげることで、ストレスを軽減し健康状態を良好に保つことができます。
多頭飼いの場合は、猫の数+1個のトイレを用意するのが理想的です。
おもちゃ
好奇心旺盛なラガマフィンには、猫じゃらしやボール、ぬいぐるみなど様々な種類のおもちゃを用意してあげましょう。遊びを通して運動不足を解消し、ストレス発散にも繋がります。知的好奇心を刺激する知育玩具もおすすめです。
ラガマフィンの食事
適切なキャットフードの選び方
ラガマフィンは他の猫種同様肉食動物です。動物性タンパク質が豊富で必須アミノ酸(タウリンなど)が含まれている、猫にとって栄養バランスに優れた総合栄養食のキャットフードを選びましょう。子猫、成猫、シニア猫それぞれのライフステージに合わせることも大切です。
ロイヤルカナン ラグドール 専用フードのような、大型猫種向けのフードもおすすめです。適切な栄養摂取は、免疫力の向上や病気の予防にも繋がります。
長毛種であるラガマフィンには、毛玉ケアに配慮したフードや皮膚被毛のケアに配慮したフードを選ぶのも良いでしょう。
食事の頻度と量
ラガマフィンの成猫の食事は、1日3~4回に分けて与えるのが理想です。大型猫であるラガマフィンは、成猫になると運動量が減ってしまう傾向にあります。そのため肥満になりやすい猫種です。キャットフードのパッケージに記載されている給与量を目安に、愛猫の運動量などに合わせて食事回数を調整してください。
ラガマフィンのグルーミング
ブラッシング
ラガマフィンは長毛種ですが、絡まりにくい毛質のため毎日のブラッシングを必要とはしません。週に2~3回ほど、長めのコームブラシでブラッシングするだけでも十分に美しい被毛が保てるとされています。
しかしブラッシングは被毛のお手入れだけでなく、マッサージ効果や血行促進にも繋がります。人好きで甘えん坊なラガマフィンはブラッシングを好む子も多いです。コミュニケーションの一環として、毎日のブラッシングを心掛けましょう。
シャンプー
皮膚疾患などがない限り、ラガマフィンは定期的なシャンプーを必要としません。換毛期などの毛が多く抜ける時期を目安にシャンプーしてあげることで、美しい被毛を保つことができます。
シャンプーを行う際は、猫専用のシャンプーを使用し、ぬるま湯で丁寧に洗いしっかりとすすぎます。低温のドライヤーで、手早く根元までしっかりと乾かしましょ。シャンプー剤が皮膚に残っていたり、濡れたまま放置してしまうと、皮膚病の原因となる可能性があります。
ラガマフィンの寿命と健康管理
ここでは、ラガマフィンの平均寿命と適切な健康管理、かかりやすい疾患を解説します。
平均寿命
ラガマフィンの平均寿命は13.6歳。これは猫全体の平均寿命14.5歳と比較するとやや短いと言えます。もちろん個体差があり、健康状態、遺伝的要因、飼育環境など様々な要素が寿命に影響を与えます。
寿命を延ばすためのケア
愛猫と少しでも長く一緒にいるためには、日々のケアが重要です。以下の点に注意することで、ラガマフィンの健康寿命を延ばすことに繋がります。
- 定期的な健康診断
- ストレスの軽減
- 適切なグルーミング
- 適切な食事
ラガマフィンのかかりやすい疾患と健康管理
ラガマフィンには遺伝的にかかりやすい病気があります。定期的な健康診断の重要性と病気について解説します。
定期的な健康診断
1年に1回は動物病院で健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。健康診断では、血液検査、尿検査、便検査などを行い健康状態をチェックします。定期的なワクチン接種やノミ・ダニ予防も忘れずに行いましょう。
ラガマフィンがかかりやすい病気
ラガマフィンはラグドールと同じく、肥大型心筋症や多発性嚢胞腎などの遺伝性疾患にかかりやすいと言われています。また長毛種であることから、毛球症にも注意が必要です。
肥大型心筋症
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が肥大し心臓の機能が低下する病気です。
初期段階では無症状のことも多いですが、進行すると呼吸困難、チアノーゼが現れることがあります。失神などの症状が起き突然死を引き起こす可能性もある病気です。
定期的に心エコーやレントゲン検査を含む健康診断を行うことが、早期発見に繋がります。
多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎は、遺伝性の腎臓病です。腎臓の中に複数の嚢胞(のうほう)と呼ばれる液体で満たされた袋状の組織が形成されてしまいます。進行すると腎臓の機能が低下し、食欲不振、多飲多尿、嘔吐などの症状が現れます。重症化すると慢性腎不全となり、命を落とすケースも少なくありません。残念ながら根本的な治療法は確立されていませんが、症状の進行を遅らせるための対症療法や食事療法があります。
定期的な健康診断での早期発見が重要です。
毛球症
主に毛繕いで飲み込んだ猫自身の毛が、毛玉となり消化管に詰まってしまう症状です。頻繁な嘔吐、食欲不振、便秘などの症状が見られます。繰り返し嘔吐することで、逆流性食道炎を誘発する場合もあります。
胃の中で毛球が拡大してしまい吐くことができなくなった場合は、内視鏡あるいは開腹手術によって胃から毛球を取り出す必要があります。
過度な毛繕いや多量の毛を飲み込むことが原因となるので、こまめなブラッシングなどで抜け毛を除去してあげることが予防となります。特に毛が抜けやすい換毛期には注意が必要です。
遺伝子疾患の早期発見には、エコー検査などを含めた健康診断を定期的に行うのが有用です。獣医師と相談しながら適切なケアを行いましょう。
ラガマフィンを飼う上での注意点
ラガマフィンを家族に迎えるにあたっては、その魅力的な外見だけでなく、飼育に際しての注意点も理解しておくことが大切です。責任ある飼い主となるために、以下の点に留意しましょう。
室内環境の整備
ラガマフィンは大人しく穏やかな猫ですが、脱走防止対策は必須です。窓やドアの施錠はもちろん、ベランダや庭へのアクセス制限も徹底しましょう。
体が大きく学習能力が高いラガマフィンは、ドアノブの上げ下げによるドアの開錠方法を覚えてしまうこともあります。
ドアノブロックなどを活用して、対処するようにしましょう。
高い場所へのジャンプを好むため、キャットタワーなどを設置して運動不足を解消し安全な遊び場を提供することも重要です。
ラガマフィンは大型で体重があるため、高さよりも重心の安定したキャットタワーを選ぶのがおすすめです。
また、誤飲を防ぐため小さなおもちゃや危険なものは片付けておきましょう。
多頭飼育の注意点
ラガマフィンは他の猫や犬とも比較的仲良く暮らせる穏やかな性格ですが、先住ペットとの相性を見極めることが重要です。いきなり対面させるのではなく、ケージ越しに徐々に慣れさせていくようにしましょう。多頭飼育の場合は、それぞれの猫に十分なスペースと資源(トイレ、食器、寝床など)を用意し、縄張り意識によるストレスを軽減しましょう。それぞれの猫の性格を理解し、適切な対応をすることが大切です。
費用について
ラガマフィンを飼うには、生体購入費や初期費用だけでなく、食事や医療費など継続的な費用も発生します。
特に医療費は、遺伝子疾患が発症する可能性のあるラガマフィンには避けられない出費です。
猫は高齢になるにつれて、医療費は上がる傾向にあります。
若齢からペット保険に加入することをおすすめします。
ペット保険は、保険会社・加入年齢によって年間費用が変動します。
各保険会社をよく比較検討し、動物病院での窓口清算の有無、補償対象の疾患なども良く確認しましょう。
飼育にかかる費用を事前に把握し、無理なく飼育できるかを検討しましょう。
まとめ
この記事では、ラガマフィンについて、その歴史や起源、特徴、性格、価格、飼い方、寿命までを解説しました。ラガマフィンは、ラグドールから派生した長毛種の猫で、穏やかで愛情深く、人間との触れ合いを好む猫です。十分な愛情と責任を持って飼育することで、かけがえのない家族の一員となるでしょう。
この記事がラガマフィンとの生活の一助になれば幸いです。
- ラガマフィンってどんな猫?:CFA(The Cat Fanciers’ Association, Inc.)
- ラガマフィンの価格相場:みんなの子猫ブリーダー / Pets-first
- ラガマフィンの飼い方:環境省 / 猫との暮らし大百科
- ラガマフィンの寿命と健康管理:アニコム損保 / 日本獣医生命科学大学 / アリーズ猫医療センター
- ラガマフィンを飼う上での注意点:アニコム家庭どうぶつ白書