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ミニチュア・ダックスフンド【迎える前に知りたい10のこと】費用・飼育環境・注意点を詳しく解説

ミニチュア・ダックスフンドを迎える準備をしている方、または迎えたばかりの方に向けて。この記事では、10のポイントで愛犬と幸せに暮らすための必要な情報をお届けします。特徴的な胴長の体型に伴う椎間板ヘルニアのリスク、飼育環境、食事、しつけ、健康管理、被毛ケアの注意点まで詳しく解説。また、ペットショップ、ブリーダー、保護犬施設など多様な迎え方も取り上げ、自分に合った選択肢を見つける助けになります。さらに、初期費用や毎月の費用など、金銭面での計画を立てやすくする情報もご紹介。この記事を通じて、ミニチュア・ダックスフンドの可愛らしさだけでなく、責任ある飼育の大切さを学び、愛犬との楽しい生活を始めていきましょう。

目次

ミニチュア・ダックスフンドってどんな犬?

ミニチュア・ダックスフンドは、ドイツ原産の胴長短足の愛らしい犬種です。その特徴的な体型と明るく活発な性格から、世界中で愛されています。元々は狩猟犬として活躍していた歴史を持ち、現在では家庭犬としても高い人気を誇ります。

ミニチュア・ダックスフンドの歴史

ミニチュア・ダックスフンドの祖先は、15世紀頃のドイツに存在した「ダックスフンド」です。ダックスフンドは、アナグマなどの穴に潜む動物を狩るために改良された犬種で、「ダックス」はアナグマ、「フント」は犬を意味します。その短い足と長い胴体は、狭い穴の中を自在に動き回るのに適していました。19世紀になると、より小型のダックスフンドが求められるようになり、小型化が進められた結果、ミニチュア・ダックスフンドが誕生しました。現在では、スタンダード・ダックスフンド、ミニチュア・ダックスフンド、カニンヘン・ダックスフンドの3つのサイズに分類されています。

日本におけるミニチュア・ダックスフンドの歴史は比較的新しく、第二次世界大戦後に渡来したと言われています。その愛らしい姿から急速に人気が高まり、現在では日本で最も人気のある犬種のひとつとなっています。ジャパンケネルクラブによると、2024年の犬種別犬籍登録頭数では、ミニチュア・ダックスフンドは第3位となっています。

ミニチュア・ダックスフンドの性格

ミニチュア・ダックスフンドは、明るく好奇心旺盛で、遊び好きな性格です。飼い主に対しては非常に愛情深く、甘えん坊な一面も持ち合わせています。一方で、元々は狩猟犬であったため、警戒心が強く、勇敢な一面も持ち合わせています。知らない人や犬に対して吠えることもあるため、子犬の頃から適切なしつけを行うことが重要です。また、頑固な一面もあるため、根気強く、優しく接することが大切です。愛情深く育てれば、とても忠実なパートナーとなってくれます。

ミニチュア・ダックスフンドの種類(毛質)

ミニチュア・ダックスフンドは、毛質によって3つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自分に合った毛質のダックスフンドを選びましょう。

種類特徴お手入れ
スムースヘアード短く滑らかな被毛。最も歴史が古い種類。お手入れは比較的簡単。ブラッシングは週に1~2回程度。
ロングヘアード長く美しい被毛が特徴。優雅な印象。毎日のブラッシングが必要。毛玉や汚れに注意。
ワイヤーヘアード硬くて短い剛毛。活発な印象。週に数回のブラッシングが必要。定期的なトリミングも必要。

それぞれの毛質によって、必要なブラッシングの頻度やトリミングの必要性などが異なります。ライフスタイルに合わせて適切な毛質を選びましょう。例えば、あまり時間がない場合はスムースヘアード、こまめなお手入れができる場合はロングヘアードやワイヤーヘアードがおすすめです。

短毛で滑らかな被毛を持つスムースヘアードのミニチュア・ダックスフンド。室内でリラックスしている様子。
長い被毛が特徴のロングヘアードのミニチュア・ダックスフンド。ソファに座り優雅な雰囲気を漂わせている。
硬い剛毛が特徴のワイヤーヘアードのミニチュア・ダックスフンド。草原で元気に歩く姿。

ミニチュア・ダックスフンドの迎え方

ミニチュア・ダックスフンドの迎える方法には、ペットショップ、ブリーダー、保護犬施設の3つがあります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、ライフスタイルや希望に合った方法を慎重に選びましょう。

ペットショップから迎える

ペットショップは、様々な犬種の子犬を一度に見ることができるため、比較検討しやすいというメリットがあります。また、店員さんに相談しながら選ぶことができるので、初めて犬を飼う方でも安心です。しかし、子犬の親犬の情報がわからない場合や、飼育環境によっては社会化が不足している可能性がある点に注意が必要です。

メリット

  • 様々な子犬を比較検討できる
  • 店員さんに相談できる
  • 比較的すぐに迎え入れられる

デメリット

  • 親犬の情報が不明な場合がある
  • 社会化不足の可能性がある
  • ブリーダーから迎えるよりも価格が高い場合がある

ペットショップを選ぶ上でのポイント

  • 清潔で、子犬たちが健康的に過ごしているか
  • 店員さんが犬の飼育に関する知識を持っているか
  • アフターフォローが充実しているか

ブリーダーから迎える

ブリーダーから迎えるメリットは、親犬の情報がわかるため、子犬の性格や体質をある程度予測できることです。また、ブリーダーは特定の犬種に特化しているため、その犬種に関する専門的な知識を持っていることが多いです。血統書付きの子犬を希望する場合もブリーダーから迎えることになります。一方で、ブリーダーによっては飼育環境が劣悪な場合もあるので、事前に見学し、信頼できるブリーダーを選ぶことが重要です。

メリット

  • 親犬の情報がわかる
  • 犬種に関する専門知識を持ったブリーダーからアドバイスをもらえる
  • 血統書付きの子犬を迎えられる

デメリット

  • 信頼できるブリーダーを見つける必要がある
  • ペットショップよりも価格が高い場合が多い
  • 待ち時間が発生する場合がある

ブリーダーを選ぶ上でのポイント

  • 飼育環境が清潔で、犬たちが健康的に過ごしているか
  • 親犬を見せてくれるか
  • 遺伝性疾患の検査を実施しているか

ブリーダーを探す際には、ジャパンケネルクラブ(JKC)のウェブサイトなどを参考にすると良いでしょう。優良なブリーダーは、子犬の健康と幸せを第一に考えているため、購入希望者に対して様々な質問をすることもあります。これは、子犬が適切な環境で育てられるかを判断するためなので、誠実に対応しましょう。

保護犬を迎える

保護犬を迎えることは、新しい家族を迎え入れるだけでなく、殺処分される犬を減らすことにも繋がります。保護犬は成犬が多いですが、すでに性格や体質がわかっているため、自分に合った犬を見つけやすいというメリットがあります。また、保護団体によってはトライアル期間を設けている場合があり、実際に一緒に生活してみて相性を確認することができます。しかし、保護犬の中には過去のトラウマを抱えている犬もいるため、根気強く向き合う必要がある場合もあります。保護犬を迎える場合は、譲渡条件などを事前に確認し、責任を持って飼育することが大切です。

メリット

  • 殺処分される犬を減らすことに貢献できる
  • 性格や体質がすでにわかっている
  • トライアル期間を設けている団体もある

デメリット

  • 過去のトラウマを抱えている犬もいる
  • 子犬よりも成犬が多い
  • 譲渡条件が厳しい場合がある

保護犬を迎える上でのポイント

  • 保護団体に連絡を取り、譲渡会に参加する
  • 犬の性格や健康状態をよく確認する
  • トライアル期間があれば積極的に活用する

保護犬の譲渡については、各自治体の動物愛護センターや動物保護団体に問い合わせてみましょう。

どの迎え方を選ぶにしても、ミニチュア・ダックスフンドは愛情深く、活発な犬種です。迎える前には、十分な準備と責任感を持つことが大切です。

ミニチュア・ダックスフンドの飼育に必要な費用

ミニチュア・ダックスフンドを迎える際には、どれくらいの費用がかかるのかを事前に把握することが大切です。生涯にわたって責任を持って飼育するために、初期費用だけでなく、毎月の費用や予期せぬ医療費についても準備をしておきましょう。

初期費用

ミニチュア・ダックスフンドを迎える際の初期費用は、主に以下の項目で構成されます。

項目費用相場詳細
購入費用15万円~30万円ペットショップやブリーダーから購入する場合の費用です。血統や毛色、月齢などによって価格が変動します。保護犬の場合は譲渡費用がかかります。
ケージ5,000円~20,000円犬の安全を守るための必須アイテムです。サイズや素材によって価格が異なります。
ベッド3,000円~10,000円犬が快適に過ごせるためのベッドです。素材や形状によって価格が異なります。
食器1,000円~5,000円フードや水を入れるための食器です。素材やサイズによって価格が異なります。
首輪・リード2,000円~5,000円散歩に必須のアイテムです。素材やサイズによって価格が異なります。
トイレトレー・シート1,000円~3,000円トイレトレーニングに必要なアイテムです。サイズや素材によって価格が異なります。
おもちゃ1,000円~5,000円犬のストレス発散や知育のためのおもちゃです。種類によって価格が異なります。
キャリーバッグ3,000円~10,000円動物病院への通院時などに必要なキャリーバッグです。サイズや素材によって価格が異なります。
その他(ブラシ、爪切りなど)5,000円~10,000円グルーミングに必要なアイテムです。

初期費用は合計で約20万円~45万円程度を見込んでおきましょう。保護犬の場合は、購入費用が抑えられる分、初期費用全体も抑えられます。

ミニチュア・ダックスフンドが2匹並んで、ケージや食器、ベッドなどの飼育アイテムと一緒に紹介されている。

毎月の費用

毎月の費用は、主に以下の項目で構成されます。

項目費用相場詳細
ドッグフード3,000円~10,000円犬の健康維持に欠かせないドッグフードです。品質や量によって価格が異なります。
おやつ1,000円~3,000円しつけのご褒美やコミュニケーションツールとしてのおやつです。種類や量によって価格が異なります。
トイレシート1,000円~2,000円トイレトレーニングに必須の消耗品です。
おもちゃ500円~2,000円犬のストレス発散や知育のためのおもちゃです。定期的に買い替えることを想定しておきましょう。
フィラリア予防薬など500円~1,500円/月フィラリアやノミ・ダニなどの寄生虫予防薬です。適切な予防を心がけましょう。

毎月の費用は合計で約5,000円~17,500円程度かかると想定されます。ドッグフードやおやつの種類によって費用は変動します。

予期せぬ医療費

ミニチュア・ダックスフンドは椎間板ヘルニアなどの病気にかかりやすい犬種です。万が一、病気やケガをした場合、高額な医療費が必要になる可能性があります。ペット保険への加入を検討することで、経済的な負担を軽減することができます。また、ペット保険は様々な種類があるので、自分に合ったプランを選びましょう。日頃から健康管理をしっかり行い、早期発見・早期治療に努めることも大切です。

予期せぬ医療費として、年間数万円から数十万円程度は想定しておきましょう。大きな病気や手術が必要になった場合は、さらに高額になる可能性があります。

ミニチュア・ダックスフンドとの生活は喜びに満ちたものですが、飼育には費用がかかることを理解し、計画的に準備することが大切です。上記の情報はあくまで目安であり、個体や飼育環境によって費用は変動します。事前にしっかりと情報収集を行い、責任ある飼育を心がけましょう。

ミニチュア・ダックスフンドの飼育環境を整えよう

ミニチュア・ダックスフンドを迎えるにあたって、快適で安全な飼育環境を整えることは非常に重要です。彼らの特徴を理解し、必要なアイテムを揃え、適切な空間を用意することで、愛犬との幸せな生活をスタートできます。

必要なアイテム

ミニチュア・ダックスフンドを迎える前に、以下のアイテムを準備しておきましょう。

アイテム説明選び方のポイント
ケージ(クレート)愛犬の安全な居場所、ハウス、トイレトレーニングにも役立ちます。体格に合った適切なサイズを選びましょう。
ベッドケージの中に設置し、愛犬がリラックスできる場所を提供します。洗濯可能な素材を選び、清潔に保ちましょう。冬は暖かい素材のベッドもおすすめです。
トイレトレー・トイレシートトイレトレーニングに必須です。消臭効果の高いものを選び、清潔に保ちましょう。
食器食事と水用にそれぞれ用意します。安定感のあるものを選び、食べやすい高さに調整しましょう。ステンレス製や陶器製がおすすめです。
首輪・リード散歩に必須です。子犬のうちは成長に合わせてサイズ調整できるものが便利です。
おもちゃ遊びやストレス発散に役立ちます。安全な素材でできたものを選びましょう。噛むおもちゃは歯の健康にも良いです。
ブラシ被毛ケアに必要です。毛質に合ったブラシを選びましょう。

ケージ(クレート)の選び方

ケージはミニチュア・ダックスフンドにとって、安心して過ごせる安全な場所です。体格に合った適切なサイズを選びましょう。小さすぎると窮屈でストレスを感じ、大きすぎると落ち着かない場合があります。成犬になった時のサイズを考慮し、少し余裕のあるサイズを選ぶのがおすすめです。高さは、立った時に頭がぶつからない程度の高さが適切です。

材質は、プラスチック製、金属製、木製などがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるので、ライフスタイルに合わせて選びましょう。プラスチック製は軽量で持ち運びしやすく、掃除も簡単です。金属製は耐久性に優れています。木製はインテリアに馴染みやすいというメリットがあります。



木製ケージの中で落ち着いた表情を見せるミニチュア・ダックスフンド。安全な空間でリラックス。
赤いクレートに入ったミニチュア・ダックスフンド。旅行や移動時に便利なアイテム。

温度管理

ミニチュア・ダックスフンドは寒さに弱い犬種です。特に子犬や老犬は、温度変化に敏感なので、室温管理に気を配りましょう。冬は暖房器具を使用したり、ベッドやブランケットなどを活用して保温性を高めましょう。夏はエアコンで室温を調整し、直射日光を避け、涼しい場所で過ごせるようにしましょう。また、湿度管理も重要です。乾燥しすぎると皮膚トラブルの原因となるため、加湿器を使用するなどして適切な湿度を保ちましょう。

これらのアイテムと適切な環境設定で、ミニチュア・ダックスフンドが快適に過ごせる空間を作りましょう。

ミニチュア・ダックスフンドの食事

ミニチュア・ダックスフンドの健康を維持し、活発な毎日を送るためには、適切な食事が欠かせません。成長段階、健康状態、活動量に合わせた食事内容を理解し、愛犬にとって最適な食事を提供しましょう。

ドッグフードの選び方

ドッグフードを選ぶ際には、AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準を満たしているかを確認しましょう。AAFCOの基準は、犬に必要な栄養素がバランスよく含まれているかの指標となります。また、ミニチュア・ダックスフンドは胴長短足のため、関節への負担を軽減するためにグルコサミンやコンドロイチンが含まれているフードを選ぶのも良いでしょう。さらに、年齢に合わせたフードを選ぶことも大切です。子犬には成長に必要な栄養素を豊富に含んだパピー用、成犬には適切なカロリーと栄養バランスのアダルト用、シニア犬には消化吸収しやすいシニア用など、ライフステージに合わせたフードを選びましょう。

市販のドッグフードの種類

市販のドッグフードには、大きく分けてドライフード、ウェットフード、セミモイストフードの3種類があります。

種類メリットデメリット
ドライフード保存性が高い、歯石の予防効果、価格が比較的安い水分が少ないため、水分補給が必要
ウェットフード嗜好性が高い、水分補給に役立つ保存性が低い、価格が高い
セミモイストフード嗜好性が高い、適度な水分量保存性が低い、添加物が多くなりがち

それぞれのメリット・デメリットを理解し、愛犬の状態やライフスタイルに合わせて最適なタイプのフードを選びましょう。複数の種類を組み合わせるのも良いでしょう。

食事の回数と量

ミニチュア・ダックスフンドの食事の回数と量は、年齢、体重、活動量、ドッグフードの種類によって異なります。子犬の場合は、1日に3~4回に分けて与えるのが一般的です。成犬になると、1日2回で十分です。肥満を防ぐためには、ドッグフードのパッケージに記載されている給与量を目安に、愛犬の体型や運動量に合わせて調整しましょう。また、常に新鮮な水を用意し、いつでも飲めるようにしておきましょう。

1日のカロリー目安

以下の表は、あくまでも目安です。愛犬の活動量や健康状態に合わせて調整してください。

年齢体重(kg)1日のカロリー目安(kcal)
子犬(6ヶ月まで)3約300~400
成犬(1~7歳)5約400~500
シニア犬(7歳以上)5約350~450

獣医師やドッグトレーナーに相談することで、より適切なカロリー摂取量を知ることができます。

おやつ

おやつは、しつけのご褒美やコミュニケーションツールとして有効ですが、与えすぎると肥満の原因になります。主食の10%以内を目安に与え、与えたおやつのカロリーは、1日の食事量から差し引くようにしましょう。また、人間用の食べ物は、犬にとって有害な成分が含まれている場合があるため、与えないように注意しましょう。犬用のおやつを選ぶ際には、添加物が少なく、消化しやすいものを選びましょう。

適切な食事管理は、ミニチュア・ダックスフンドの健康な生活を支える上で非常に重要です。愛犬の様子をよく観察し、必要な栄養をバランスよく摂取できるよう心がけましょう。

ミニチュア・ダックスフンドのしつけ

ミニチュア・ダックスフンドは賢い犬種ですが、頑固な一面も持ち合わせています。そのため、子犬の頃から根気強く、一貫性のあるしつけを行うことが重要です。飼い主との信頼関係を築きながら、社会性を身につけさせ、問題行動を予防しましょう。

トイレトレーニング

トイレトレーニングは、ミニチュア・ダックスフンドを迎えてすぐに始めましょう。成功体験を積み重ねさせることが重要です。

  • サークルやケージを利用し、トイレの場所を覚えさせましょう。
  • 排泄しそうなサイン(ソワソワする、くるくる回るなど)を見逃さず、すぐにトイレに連れて行きましょう。
  • 排泄に成功したら、優しく褒めてご褒美を与えましょう。おやつや褒め言葉で強化することで、トイレの場所を覚えやすくなります。
  • 失敗しても叱らず、優しく片付けましょう。叱ってしまうと、トイレを怖がるようになってしまう可能性があります。

トイレトレーニングは根気が必要です。焦らず、愛犬のペースに合わせて進めていきましょう。成功と失敗を繰り返しながら、徐々に覚えていきます。

基本的なしつけ

ミニチュア・ダックスフンドには、以下の基本的なしつけを教えましょう。これらは、愛犬との生活をスムーズにするだけでなく、安全を守る上でも重要です。

コマンド意味教え方
おすわり座るおやつを鼻先に持っていき、後ろに引くようにしながら「おすわり」と言いましょう。
ふせ伏せるおすわりの状態から、おやつを床に近づけながら「ふせ」と言いましょう。
まて待機するおすわりかふせの状態から、手のひらを愛犬に見せながら「まて」と言いましょう。
こい来る名前を呼びながら、優しく手招きし、「こい」と言いましょう。
よし解放「まて」の後に「よし」と言い、解放しましょう。

コマンドは短い言葉で、毎回同じ言葉を使うことが重要です。

問題行動への対処法

ミニチュア・ダックスフンドは吠え癖や噛み癖が出やすい犬種です。問題行動は早期に、適切な対処をすることが重要です。

吠え癖

  • 原因の特定: なぜ吠えているのかを理解することが重要です。恐怖、不安、要求吠えなど、原因によって対処法が異なります。
  • 無視: 要求吠えの場合は、吠えている間は無視し、吠え止んだら褒めてあげましょう。
  • 環境の調整: 恐怖や不安が原因の場合は、安心できる環境を作ってあげましょう。

噛み癖

  • 噛んでも良いおもちゃを与える: 噛みたい欲求を満たしてあげましょう。
  • 噛まれたら反応しない: 噛むことで飼い主が反応すると、噛み癖が強化される可能性があります。噛まれたら「痛い!」と声を出して、遊びをやめましょう。
  • しつけ教室の利用: どうしても改善しない場合は、専門家の指導を受けるのも有効です。

問題行動への対処は、一貫性と根気が重要です。 家族全員で同じように対応することで、効果的に改善することができます。

ミニチュア・ダックスフンドの健康管理

ミニチュア・ダックスフンドは活発で愛らしい犬種ですが、体質的にかかりやすい病気もいくつかあります。健康で長生きしてもらうためには、日頃からの健康管理と早期発見・早期治療が重要です。飼い主として責任を持って適切なケアを行いましょう。

かかりやすい病気

ミニチュア・ダックスフンドは、その体型から椎間板ヘルニアになりやすい犬種として知られています。その他にも、以下のような病気に注意が必要です。

病気症状予防・対策
椎間板ヘルニア歩行困難、麻痺、痛みによる鳴き声、食欲不振肥満防止、激しい運動やジャンプをさせない、スロープの設置
進行性網膜萎縮症(PRA)夜盲症、視力低下、失明遺伝性疾患のため、ブリーダーによる遺伝子検査が重要
緑内障眼痛、充血、視力低下、失明定期的な眼科検診
外耳炎耳を痒がる、頭を振る、耳だれ、耳の臭い定期的な耳掃除、垂れ耳の場合は通気性を良くする
癲癇痙攣、意識消失、硬直、失禁獣医師の指示に従った投薬治療
肥満お腹のたるみ、呼吸困難、運動不足適切な食事管理と運動

これらの情報はあくまで一般的なものです。気になる症状が見られた場合は、自己判断せずに、速やかに動物病院を受診しましょう。早期発見・早期治療が大切です。

定期的な健康診断

ミニチュア・ダックスフンドの健康を守るためには、定期的な健康診断が欠かせません。年に1回は動物病院で健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。

健康診断では、視診、触診、聴診のほか、血液検査、尿検査、便検査などを行います。年齢や健康状態に合わせて、必要な検査を追加することもあります。特にシニア犬の場合は、より綿密な検査が必要です。

健康診断の内容

  • 視診:目、耳、鼻、口、皮膚、被毛の状態などをチェック
  • 触診:リンパ節、腹部などを触診して異常がないかを確認
  • 聴診:心音、呼吸音などをチェック
  • 血液検査:貧血、炎症、肝機能、腎機能などを評価
  • 尿検査:腎臓、膀胱などの状態をチェック
  • 便検査:寄生虫の有無などを確認

予防接種

ミニチュア・ダックスフンドの子犬期には、伝染病予防のためにワクチン接種が必要です。ワクチン接種は、命に関わる感染症から犬を守るための重要な予防策です。

主なワクチンには、ジステンパーウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルスに対する混合ワクチンと、狂犬病ワクチンがあります。獣医師と相談し、適切なワクチン接種スケジュールを立てましょう。

混合ワクチンは、子犬の時期に複数回接種し、その後は追加接種が必要です。狂犬病ワクチンは、法律で義務付けられていますので、毎年1回接種しましょう。

獣医師から予防接種を受けるミニチュア・ダックスフンド。健康管理の重要性を示すシーン。

ミニチュア・ダックスフンドのお散歩

ミニチュア・ダックスフンドにとって、お散歩は心身の健康を保つために欠かせない日課です。適度な運動は肥満防止だけでなく、ストレス発散にも繋がります。しかし、彼らの体型には注意が必要な点もあります。胴長短足であるがゆえに、椎間板ヘルニアのリスクが高い犬種です。お散歩の頻度や時間、方法などを正しく理解し、愛犬の健康を守りましょう。

散歩の頻度と時間

成犬の場合、1日2回、合計1時間程度を目安に散歩するのが理想的です。朝と夕方に30分ずつなど、時間を分けて散歩しましょう。子犬の場合は、骨格が未発達なため、一度に長時間歩かせると負担がかかります。1回5~15分程度の短い散歩を数回に分けて行い、成長に合わせて徐々に時間を延ばしていくようにしましょう。シニア犬の場合は、体力や健康状態に合わせて散歩の頻度や時間を調整する必要があります。無理強いせず、愛犬の様子を見ながら散歩を楽しみましょう。

散歩のマナー

散歩中は、リードを短く持ち、愛犬をコントロールすることが大切です。ミニチュア・ダックスフンドは好奇心旺盛で、思わぬ方向に走り出してしまうこともあります。また、他の犬や人とのトラブルを避けるためにも、リードは常に短く持ち、愛犬から目を離さないようにしましょう。排泄物の処理は飼い主の責任です。必ず持ち帰り、適切に処理しましょう。散歩バッグには、排泄物処理袋やウェットティッシュなどを常備しておきましょう。また、公共の場では、むやみに吠えないようにしつけることも重要です。無駄吠えは周囲に迷惑をかけるだけでなく、愛犬のストレスにも繋がります。普段からしつけを行い、マナーを守った散歩を心掛けましょう。

リードを付けて庭園で散歩中のミニチュア・ダックスフンド。マナーを守った散歩の様子。

必要な持ち物

快適で安全な散歩のために、以下のアイテムを準備しましょう。

持ち物用途選び方のポイント
リード愛犬を制御し、安全を確保する伸縮性のあるリードは、急な引っ張りに対応しにくいので、固定長のリードがおすすめ。
ハーネス/首輪リードと接続し、愛犬を制御する胴長短足のミニチュア・ダックスフンドには、首への負担が少ないハーネスがおすすめ。胴回りに合わせて適切なサイズを選びましょう
排泄物処理袋排泄物を持ち帰る防臭効果の高いものがおすすめ。
ウェットティッシュ愛犬の体を拭いたり、排泄物の処理に使用散歩に便利な携帯用タイプがおすすめ。
おやつしつけのご褒美や、緊急時の呼び戻しに使用小さくて食べやすいものがおすすめ。
水と携帯用ボトル特に夏場や長時間の散歩時に水分補給持ち運びしやすい軽量のものがおすすめ。

これらの持ち物を揃え、安全で楽しい散歩を心掛けましょう。特に、ハーネスは首輪よりもミニチュア・ダックスフンドの体に負担がかかりにくいためおすすめです。胴体にフィットするものを選び、適切なサイズに調整しましょう。また、夏場など気温が高い時期には、水を持参し、こまめな水分補給を心掛けましょう。熱中症対策も重要です。

ミニチュア・ダックスフンドの被毛ケア

ミニチュア・ダックスフンドは、その毛質によって被毛ケアの方法が異なります。スムースヘア、ロングヘア、ワイヤーヘアの3種類があり、それぞれ適切なケアが必要です。正しいケアを行うことで、皮膚トラブルの予防や美しい被毛を保つことができます。

ブラッシング

ブラッシングは、どんな毛質のミニチュア・ダックスフンドにも欠かせないケアです。抜け毛を取り除き、皮膚を刺激することで血行促進にも繋がります。また、ブラッシングを通して愛犬の皮膚の状態をチェックすることも大切です。

スムースヘア

スムースヘアは短毛で抜け毛が少ないため、週に1~2回のブラッシングで十分です。ラバーブラシや獣毛ブラシがおすすめです。ラバーブラシはマッサージ効果もあり、愛犬とのコミュニケーションツールとしても役立ちます。

ロングヘア

ロングヘアは毛が長く絡まりやすいため、毎日のブラッシングが必要です。スリッカーブラシやコームを使って、毛のもつれや毛玉を丁寧にほぐしましょう。特に耳の後ろ、脇の下、お腹などは毛玉ができやすいので注意が必要です。

ワイヤーヘア

ワイヤーヘアは硬い上毛と柔らかい下毛の二重構造になっています。週に2~3回、スリッカーブラシやコームを使ってブラッシングし、抜け毛を取り除きましょう。ワイヤーヘアは定期的なトリミングで、硬い被毛を維持することが重要です。

シャンプー

シャンプーは、皮膚の汚れや余分な皮脂を取り除くために必要です。頻度は犬の状態によって異なりますが、一般的には月に1~2回程度が目安です。子犬や皮膚が弱い場合は、獣医師に相談しましょう。

シャンプーの際は、犬専用のシャンプーを使用し、38~40℃程度のぬるま湯で洗いましょう。すすぎ残しがないようにしっかりとすすぎ、ドライヤーで完全に乾かすことが重要です。生乾きの状態は皮膚トラブルの原因となるため、特に注意が必要です。

トリミング

トリミングは、見た目を美しく整えるだけでなく、衛生面や健康面においても重要です。特にロングヘアやワイヤーヘアは、定期的なトリミングが必要です。

ロングヘア

ロングヘアは、毛が伸びすぎると絡まりやすくなり、皮膚トラブルの原因となることがあります。定期的にトリミングサロンでカットしてもらいましょう。自宅でカットする場合は、専用のハサミを使用し、怪我をさせないように注意が必要です。

ワイヤーヘア

ワイヤーヘアは、プラッキングという特殊なトリミング方法で、古い被毛を抜いて新しい被毛の成長を促します。プラッキングは技術が必要なため、トリミングサロンで行うのが一般的です。プラッキングを行うことで、ワイヤーヘア特有の硬い被毛を保つことができます。

スムースヘア

スムースヘアは、トリミングの必要性は低いですが、肛門周りの毛や足裏の毛は定期的にカットして清潔に保ちましょう。爪切りも忘れずに行いましょう。伸びすぎた爪は歩きにくさの原因となるだけでなく、怪我をする可能性もあります。

毛質ブラッシング頻度おすすめブラシトリミング
スムースヘア週1~2回ラバーブラシ、獣毛ブラシ必要性低い、肛門周り、足裏の毛のカット、爪切り
ロングヘア毎日スリッカーブラシ、コーム定期的なカット
ワイヤーヘア週2~3回スリッカーブラシ、コームプラッキング

被毛ケアは、ミニチュア・ダックスフンドの健康を維持するために欠かせないものです。それぞれの毛質に合った適切なケアを行い、愛犬との快適な生活を送りましょう。

ミニチュア・ダックスフンドと暮らす上での注意点

ミニチュア・ダックスフンドと幸せな生活を送るためには、彼らの特徴を理解し、適切な対応をすることが重要です。ここでは、留守番、多頭飼い、旅行など、ミニチュア・ダックスフンドと暮らす上での注意点を詳しく解説します。

留守番

ミニチュア・ダックスフンドは飼い主への依存心が強い犬種です。長時間の留守番は、分離不安やストレスの原因となる可能性があります。そのため、留守番の時間をできるだけ短くすることが大切です。どうしても長時間の留守番が必要な場合は、ペットシッターやペットホテルの利用を検討しましょう。留守番させる際は、安全な環境を用意することも重要です。誤飲やいたずら防止のため、危険なものは片付け、クレートやサークルなどを活用して行動範囲を制限しましょう。また、お気に入りのおもちゃや毛布などを置いておくことで、犬の不安を軽減することができます。

留守番時の注意点

  • 危険なものを片付ける
  • 室温調整を徹底する
  • 十分な水と少量のフードを用意する
  • トイレシートを新しいものに変える
  • 留守番前に十分に運動させておく

多頭飼い

ミニチュア・ダックスフンドは他の犬とも仲良くできる犬種ですが、先住犬がいる場合は、相性を確認しながら徐々に慣れさせていくことが重要です。特に、同性同士の場合は縄張り意識からトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。また、多頭飼いをする場合は、それぞれの犬に十分なスペースとケアを確保できるようにしましょう。

多頭飼いを成功させるためのポイント

  • 先住犬の性格を考慮する
  • 初対面は慎重に行う
  • それぞれの犬に専用のスペースを用意する
  • 平等に愛情を注ぐ
  • 食事やおもちゃは別々に与える

旅行

ミニチュア・ダックスフンドと旅行に行く場合は、事前の準備が重要です。旅行先に犬を連れて行けるか確認し、宿泊施設や交通機関のペット同伴に関する規定を事前に調べておきましょう。また、移動中のストレスを軽減するために、クレートやキャリーバッグに慣れさせておくことも大切です。旅行先では、いつもと違う環境に犬が戸惑わないよう、慣れたおもちゃや毛布などを一緒に持っていくと良いでしょう。さらに、急な病気やケガに備えて、動物病院の場所も確認しておきましょう。

旅行に持っていくもの

カテゴリー持ち物
必須アイテム

  • 首輪・リード

  • 鑑札・狂犬病予防注射済票

  • クレート・キャリーバッグ

  • フード・水

  • 食器

  • トイレシート・排泄物処理袋

  • 常備薬
あると便利なもの

  • お気に入りのおもちゃ・毛布

  • ブラシ・シャンプー

  • タオル

  • ウェットティッシュ

  • 虫除けスプレー

  • 応急処置セット

これらの注意点に気を付けることで、ミニチュア・ダックスフンドとの生活をより楽しく、安全なものにすることができます。日頃から愛犬の様子をよく観察し、少しでも異変を感じたら獣医師に相談するようにしましょう。

まとめ

ミニチュア・ダックスフンドは、その愛らしい見た目と活発な性格で、多くの人に愛されています。一方で、迎える前に、特徴や飼育に必要な知識を理解することが大切です。本記事では、歴史や性格、種類、迎え方、費用、飼育環境、食事、しつけ、健康管理、被毛ケア、注意点まで幅広く解説しました。

特に注意すべき点は、椎間板ヘルニアなど腰に負担がかかる病気のリスクです。体重管理や階段の使用を避けるなど、日頃のケアが求められます。被毛ケアもスムース、ロング、ワイヤーそれぞれに合った方法が必要です。適切な飼育環境と愛情のあるケアがあれば、ミニチュア・ダックスフンドは長く健康で幸せな生活を送ることができます。この記事が、愛犬との素敵な生活のスタートに役立てば幸いです。

庭で楽しそうに遊ぶ3匹のミニチュア・ダックスフンド。健康的で活発な暮らしを象徴。
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