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猫の病気症状早見表|吐く、下痢、元気がない…原因と対策を徹底解説

愛猫が突然吐いたり、下痢をしたり、元気がなくなったりすると、飼い主としてはとても心配ですよね。この記事では、「猫の病気症状早見表」として、猫によく見られる症状の原因となる病気を分かりやすく解説します。
家庭での対処法、そして動物病院へ行くべき目安をまとめました。さらに、猫の年齢別に注意すべき病気や日頃からできる予防方法についても詳しく説明しています。
この記事を読むことで、愛猫の異変にいち早く気づき適切な対応をとることができるようになります。愛猫が長く健康に暮らせるように、ぜひ参考にしてください。

目次

症状別にみる猫の病気

猫は言葉を話せず、不調を隠そうとする生き物です。飼い主が異変にいち早く気づき、適切な対応をすることが大切です。ここでは猫の不調時に特にみられる「吐く」「下痢」「元気がない」の3つの症状に焦点を当て、考えられる原因や対処法を解説します。

吐く

猫は比較的吐きやすい動物ですが、頻繁に吐いたり吐瀉物に異物が混ざっていたりする場合は注意が必要です。嘔吐には様々な原因が考えられます。

吐き気や嘔吐の原因となる猫の病気

  • 毛球症:主に毛繕いで飲み込んだ猫自身の毛が、毛玉となり消化管に詰まってしまう病気。頻繁な嘔吐、食欲不振、便秘などの症状が見られます。
    参考:アニコム損保/猫の毛球症
  • 急性胃腸炎:発症から数日以内の胃腸炎。合わない食べ物や異物の誤飲、薬物の影響、ウイルス感染などが原因で突然起こる。激しい吐き気(よだれ)、嘔吐、食欲不振などの症状が急激に現れ、腸炎を起こしている場合は下痢症状も引き起こします。ストレスが原因になることもあります。
  • 慢性胃腸炎:発症から2週間以上経過した胃腸炎。持続的な嘔吐、食欲不振、体重減少などがみられ、脱水も引き起こします。
    参考:アニコム損保/猫の胃腸炎
  • 腸閉塞:異物や腫瘍などによって腸が詰まる病気。毛球症も腸閉塞の原因となります。激しい嘔吐、腹痛、食欲不振などの症状が現れ、命に関わる危険性もあります。
  • 膵炎:膵臓に炎症が起こる病気。原因不明のことが多く慢性的な場合と急性の場合がある。急性の場合は嘔吐、下痢、腹痛、脱水、多飲多尿などの症状が見られます。
    参考:こざわ犬猫病院/猫の膵炎
  • 腎不全:腎臓の機能が低下する病気。長期間続くと慢性腎不全となる。嘔吐、多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状が現れます。老齢での発症が多く、死亡率も高い。

猫が吐いた時の対処法

吐いた直後は、安静にさせましょう。何度も繰り返し吐く、元気食欲がないなどの症状が見られる場合は、早めに獣医師に相談しましょう。吐瀉物に血が混ざっていたり、異物を吐き出したりしている場合は、早急な受診が必要です。軽度の嘔吐の場合は絶食させて胃を休ませ、少量の水を与えて様子を見ます。吐き気が治まったら、消化の良い食事を少量ずつ与えます。水を飲んでも吐いてしまう場合は、脱水を引き起こす危険があるので、動物病院で点滴による処置をしてもらう必要があります。

下痢

下痢は、水分を多く含んだ軟便や水様便を排泄する状態です。一時的なものから、深刻な病気が隠れている場合もあります。

下痢の原因となる猫の病気

  • 食中毒:猫にとって有害になる食物や、腐敗した食物で増殖した細菌などを摂取することで起こる。口から泡を吹く、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。
  • 寄生虫感染:回虫、鉤虫、条虫などの寄生虫が腸内に寄生することで起こる。下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が見られます。
  • 炎症性腸疾患(IBD):原因不明の慢性的な消化器疾患。消化器症状が3週間以上続く。下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が現れます。
    参考:アニクリ24/猫の炎症性腸疾患(IBD)
  • 猫伝染性腹膜炎(FIP):腸コロナウイルスによって引き起こされる重篤な病気。腹膜炎を引き起こし、腹水が溜まり下痢、発熱などの症状が見られます。死亡率が非常に高い。
    参考:日本臨床獣医学フォーラム/猫伝染性腹膜炎(FIP)

猫が下痢になった時の対処法

下痢が続く場合は、脱水症状を防ぐために水分補給をしっかり行いましょう。軽度の下痢の場合は、絶食させて消化器官を休ませその後消化の良い食事を少量ずつ与えます。下痢が続く場合や、血便、重度の脱水症状が見られる場合は、便を清潔なビニールなどに入れて持参し、すぐに動物病院を受診しましょう。

元気がない

いつもと比べて動きが鈍い、食欲がない、鳴き声が少ないなど、元気がない場合は、何らかの病気が隠れている可能性があります。

元気がない原因となる猫の病気

  • 猫風邪:ウイルスや細菌感染によって起こる呼吸器系の病気。くしゃみ、鼻水、咳、目ヤニなどの症状が現れます。鼻水により鼻が詰まることで、嗅覚が鈍くなり食欲低下にもつながります。猫風邪はうつりやすくウィルスが体内に残りやすいため、免疫力が低下していると何度も繰り返し発症します。
    参考:アニコム自由が丘動物病院/ネコちゃんの風症状
  • 貧血:赤血球が不足した状態。元気がない、食欲不振、歯茎が白い、尿の色が濃いなどの症状が見られます。
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群):副腎皮質ホルモン(コルチゾール)が過剰に分泌される病気。猫ではまれで、その発症原因の約80%は脳下垂体の腫瘍化、約20%は副腎の腫瘍化とされている。多飲多尿、体重減少、腹部膨満、皮膚被毛の異常、筋肉量低下、元気消失などの症状が現れます。
    参考:アニコム損保/猫のクッシング症候群

猫が元気がない時の対処法

猫が元気がない場合は、まず安静にして様子を見ましょう。食欲不振や発熱、嘔吐、下痢などの症状を伴う場合は、早めに動物病院を受診することが重要です。また、ストレスが原因で元気がない場合は、猫が安心して過ごせる環境を整えてあげましょう。

猫の病気症状早見表

この早見表はあくまでも目安です。猫の状態をよく観察し、少しでも心配な場合は動物病院に相談してください。

症状から考えられる病気

消化器系の症状

症状考えられる病気
嘔吐胃炎・異物誤飲・食物アレルギー・膵炎・感染症・毛球症・ストレス
下痢寄生虫感染・感染症(猫パルボウイルス感染症など)・炎症性腸疾患・ストレス
食欲不振歯周病・腎不全・肝臓病・糖尿病・胃腸炎
便秘巨大結腸症・脱水・肛門嚢の炎症・脊椎の損傷・毛球症

猫の消化器系の症状は、胃腸炎など消化器官の疾患が原因のことが多いですが、ガンやホルモンの病気が隠れていることもあります。

呼吸器系の症状

症状考えられる病気
くしゃみ・鼻水猫風邪(ウィルス感染)・アレルギー性鼻炎・歯周病・高血圧
猫喘息・気管支炎・肺炎・心臓病・喉頭炎
呼吸困難胸水・気胸・肺水腫

呼吸器系の疾患は、猫風邪などウィルス感染により引き起こされることが多くみられます。“風邪”とといえど、悪化すれば命の危険もある感染症です。早めに動物病院を受診しましょう。

泌尿器系の症状

症状考えられる病気
頻尿膀胱炎・尿路結石・糖尿病・腎臓疾患・糖尿・尿道炎
血尿特発性膀胱炎・尿路結石症・膀胱腫瘍
排尿困難尿道閉塞・尿路結石

猫の膀胱や尿道の疾患は、猫下部尿路疾患と総称されるほど多く、尿結石や感染症、癌など原因は様々ですが、ストレスから膀胱炎を引き起こし血尿などを引き起こすことも少なくありません。
排尿困難になると尿毒症を引き起こし、命に関わります。尿が出ていない、何度も排尿体制をとっているなどが見られる場合は、早急に動物病院を受信しましょう。

皮膚の症状

症状考えられる病気
かゆみノミ・ダニ寄生・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎
脱毛皮膚糸状菌症(猫白癬)・ホルモン異常・心因性脱毛(ストレス)
皮膚の赤み・炎症細菌感染・真菌感染・アレルギー性皮膚炎

一口に皮膚病と言っても、ノミダニの寄生やカビの感染によりかゆみを伴う症状から、クッシング症候群などのホルモン異常によって起こる脱毛まで、その原因と症状は様々です。日頃からこまめにブラッシングをして、皮膚被毛の状態をチェックしておきましょう。

神経系の症状

症状考えられる病気
痙攣脳腫瘍・低血糖症・髄膜脳炎・肝性脳症・水頭症・硬膜外血腫・てんかん
ふらつき・麻痺椎間板ヘルニア・ダニ麻痺症・肝性脳症・前庭神経炎
意識障害熱中症・低血糖・中毒・肝性脳症・硬膜外血腫

神経系の症状は、視力障害や無関係に眼球が動く眼振など、目元の異常などが起こることもあります。
歩行や眼の動きなど、少しでも違和感を感じたら獣医師に相談しましょう。

猫の年齢別になりやすい病気

子猫

子猫は免疫力が低いため、感染症にかかりやすいです。特に、猫ウイルス性鼻気管炎猫カリシウイルス感染症猫パルボウイルス感染症は、命に関わることもある危険な病気です。回虫瓜実条虫などの寄生虫感染もよく見られます。

参考:ねこのきもち|子猫がかかりやすい病気は?

成猫

成猫では、下部尿路疾患糖尿病慢性腎不全などの生活習慣病が増えてきます。また、猫白血病ウイルス感染症猫免疫不全ウイルス感染症などのウイルス感染症にも注意が必要です。

参考:ねこのきもち|成猫がかかりやすい病気は?

高齢猫

高齢猫では、慢性腎不全甲状腺機能亢進症腫瘍心臓病口腔内疾患などの病気が多くなります。また、老化による認知症も増加傾向にあります。

参考:ねこのきもち|シニア猫がかかりやすい病気は?

猫の病気の予防方法

愛猫の健康を守るためには、日頃からの予防が重要です。ワクチン接種、適切な食事、衛生管理、ストレス軽減、定期的な健康診断など、様々な方法で猫の病気を予防することができます。

ワクチン接種

猫のワクチン接種は、感染症から猫を守るための重要な予防策です。
コアワクチンと呼ばれる、猫汎白血球減少症、猫カリシウイルス感染症、猫ウイルス性鼻気管炎に対するワクチンは、すべての猫に接種が推奨されています。その他、猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)や猫クラミジア感染症など、生活環境に合わせて追加でワクチン接種を行うことも検討しましょう。ワクチンの種類や接種スケジュールについては、獣医師と相談して決定することが大切です。

参考:アース・ペット|愛猫ワクチンについて

適切な食事

猫の健康維持には、栄養バランスの取れた食事が不可欠です。年齢、体質、健康状態に合わせたキャットフードを選び、常に新鮮な水を与えましょう。
水は硬水のミネラルウォーターを与えると、下部尿路疾患の原因となります。軟水(水道水)を与えてください。
肥満は様々な病気を引き起こす原因となるため、適正体重を維持することも重要です。手作り食を与える場合は、栄養バランスに注意し、獣医師の指導を受けるようにしましょう。

衛生管理

清潔な環境を維持することは、猫の病気予防に繋がります。トイレは常に清潔に保ち、定期的に猫の寝具や食器を洗うようにしましょう。
ノミやダニ、寄生虫の予防も大切です。定期的に駆虫薬を投与したり、ブラッシングをして清潔を保ちましょう。また、猫が口にする可能性のある観葉植物や洗剤など、猫にとって有害なものは置かないように注意しましょう。

ストレス軽減

ストレスは猫の免疫力を低下させ、病気にかかりやすくなる原因となります。特発性膀胱炎などはストレスから引き起ることも少なくありません。
静かで快適な休息場所を用意したり、遊べるおもちゃを提供するなど、猫が安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。多頭飼いの場合は、それぞれの猫に十分なスペースと、各々にトイレ、食器、水などを提供し、縄張り争いを避けることが重要です。また、急な環境の変化は猫にとって大きなストレスとなるため、引っ越しや新しい家族を迎える際は、猫の様子を見ながら徐々に慣れさせていくようにしましょう。

定期的な健康診断

早期発見・早期治療のためには、定期的な健康診断が最も効果的です。特に高齢猫は、年に1~2回の健康診断を受けることをおすすめします。健康診断では、血液検査、尿検査、糞便検査などを行い、病気の兆候を早期に発見することができます。また、獣医師に普段の生活や気になる症状を相談することで、病気の予防にも繋がります。

上記以外にも、猫の種類によってかかりやすい病気も存在します。愛猫の品種の特徴を理解し、適切な予防策を講じることも大切です。

猫の病気に関するよくある質問

愛猫の健康状態に不安を感じた時、飼い主様は様々な疑問を抱えることでしょう。ここでは、猫の病気に関するよくある質問と、その回答をまとめました。

Q1. 猫が吐いた場合、すぐに病院に連れて行くべきですか?

猫が吐くことは珍しくありませんが、必ずしもすぐに病院へ連れて行く必要はありません。一度吐いただけですぐに回復するケースも多いです。しかし、以下の場合は緊急性が高いため、すぐに動物病院へ連れて行ってください。

  • 繰り返し吐く
  • 吐瀉物に血が混じる
  • ぐったりしている
  • 食欲不振が続く
  • 異物を飲み込んだ可能性がある

また、子猫や高齢猫の場合は、抵抗力が弱いため、一度の嘔吐でも注意が必要です。様子を見て悪化するようであれば、早めに獣医師に相談しましょう。嘔吐の原因を探るには、吐瀉物の色や形状、回数、吐くタイミングなどを記録しておくと役立ちます。

Q2. 猫の下痢が続く場合、どのような餌を与えれば良いですか?

下痢が続く場合は、無理に食事を与えず、消化の良い食事から徐々に与えることが大切です。動物病院で処方される療法食などが適しています。人間の食べ物は消化不良を起こす可能性があるため与えないようにしましょう。また、水分補給も重要です。脱水症状を防ぐために、新鮮な水をいつでも飲めるように用意するか、獣医師の指示に従って経口補水液などを与え、必要な場合は点滴をしてもらいます。下痢が続く場合は、必ず獣医師に相談し適切な治療と食事管理を受けてください。

Q3. 猫が元気がない時に、飼い主ができることはありますか?

猫が元気がない時は、まず安静にさせてあげましょう。静かで落ち着ける環境を用意し、無理に遊んだり触ったりしないようにします。また、食欲不振の場合は、好きな食べ物を少量与えて様子を見ましょう。水分補給も重要なので、新鮮な水を用意する、ウェットフードなどを与えて水分を摂取させます。体温を測り、平熱よりも高いまたは低い場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。数日間様子を見ても改善しない場合や、他の症状が現れた場合は自己判断せずに獣医師に相談することが大切です。

Q4. ワクチン接種は必要ですか?

ワクチン接種は、猫の健康を守る上で非常に重要です。猫風邪などの感染症を予防することができます。子猫の時期に適切なワクチン接種を行い、その後も定期的な追加接種を行うことで、感染リスクを大幅に減らすことができます。ワクチンの種類や接種スケジュールについては、獣医師と相談して決めることをおすすめします。

Q5. 動物病院を選ぶ際のポイントは何ですか?

動物病院を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。

  • 自宅からの距離:通院のしやすさを考慮しましょう。
  • 診療時間:自分のライフスタイルに合った診療時間かどうかを確認しましょう。
  • 設備:必要な検査や治療に対応できる設備が整っているかを確認しましょう。
  • 獣医師の対応:丁寧な説明をしてくれるか、親身になって相談に乗ってくれるかを確認しましょう。
  • セカンドオピニオン:セカンドオピニオンを受け付けているかどうかも確認しておきましょう。
  • 猫を得意としているCFC認定病院であるなど、猫の診療に力を入れている病院を選ぶと良いでしょう。
  • 費用:診療費用についても事前に確認しておきましょう。

動物病院のHPや口コミなども参考に、愛猫にあった病院を探しましょう。

まとめ

この記事では、「猫 病気 症状」というキーワードで検索する飼い主さんのために、猫によく見られる病気の症状とその原因、対処法について解説しました。
猫の健康を守るためには、日頃からの予防が大切です。この記事で紹介した症状や対処法はあくまで一般的な情報であり、個々の猫の状態によっては適切でない場合もあります。愛猫の様子がおかしいと感じたら、自己判断せずにまずは動物病院に相談することを強くおすすめします。
適切な治療を受けることが、愛猫の健康を守る最善の方法です。

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